フリーキックをはずして
あんなに残念がる遠藤はみたことがない。
きのうにつづいてW杯3次予選、対北朝鮮戦のはなしだ。
後半25分に得たフリーキックで、
遠藤はゴール右をねらうとみせかけて
左上のすみをねらったがわずかにはずれた。
そのあと自陣にもどるときにみせたくやしそうな表情は、
いつもクールな遠藤らしからぬものだった。
ずっとおしながらもこの時間まで0−0できていたので、
どうしてもきめておきたかったのだろう。
この日、北朝鮮のGKリ・ミョングクは試合の前半で右足首をいためている。
しかし、足をひきずりながらもファインセーブをつづけ、
やっかいな存在となっていた。
遠藤は、ゴール左をねらえば
GKが反応しにくいことを計算していたとおもう。
それまでおこなわれた攻撃は、
全部GKの左側へのものだったので、
右足をいためていたリ・ミョングクでも
なんとか対応できていたのだ。
遠藤のキックはわずかにはずれた。
右サイドへのリ・ミョングクのうごきはスピードがなく、
枠をとらえてさえいれば
得点の可能性はかなりたかかっただろう。
ロスタイムに吉田マヤのヘディングが劇的にきまったこの試合は、
はじめてみる遠藤の表情とセットで記憶されそうだ。