旅行にそなえてカンボジア語(クメール語)の入門書を図書館でかりる。
『ニューエクスプレス カンボジア語』(上田広美・白水社)という本だ。
CDをきいているとなんとなくタイ語ににている気がする。
勉強でもなんでも横道にそれるほうがたのしいのはよくあることで、
以前かったままになっていた『タイ語でタイ化』(下川裕治・双葉文庫)をひっぱりだす。これはタイ語のテキストというより、
タイ語をめぐるコラムみたいな本だ。
タイ語ではボーッとする、というときに
「ユーチューイチューイ」
という表現があるそうだ。
ただでさえボーッとすることがすき
(あたりまえ)なタイのひとが
あえて言葉にだして「ボッーとする」
というのだから腰がはいっている。
下川さんによると
「ユーチューイチューイはボーッとするなかでも
最高峰に君臨するほどの状態を示すわけだから、
もう言葉が出ないくらいなにもしない。
本当に気が遠くなるほどボーッとしてしまうのである」
ということだ。
そして、さらに
「ユーバーンチューイチューイ」
といういいかたがあって、
これは
「最低でも半年、いや一年以上、家でなにもせずにいることを指すことが多い」
というからすごい。
日本語ではそういうときにどういうだろう。
「1年以上ひきこもる」というとあまりいい意味にとられそうにない。
タイ語の「ユーバーンチューイチューイ」からは、
ちいさなことを気にかけないおおらかさををかんじる。
タイにはだらだらを肯定する文化がある。
カンボジアへの旅行をまえにして、
タイ語の勉強ににげこみたくなってきた。