2011年11月02日

なんどみても、きれいにだまされる『スティング』

「午前10時の映画祭」で『スティング』をみる。
なんどみてもさいごのシーンでだまされてしまう。
ゴンドルフたちがたくらむこの詐欺で重要なのは、
かもる相手(ロネガン)がだまされたとおもわないことであり、
そのために警察とFBIをじょうずに配置してラストにそなえる。
わたしはそこらへんをすぐにわすれるので、
みるたびにだまされて
さいごはイカサマが失敗したようにおもってしまう。
ロネガンとスナイダー警部、それに観客も
ゴンドルフたちにきれいにはめられる、
最高におしゃれな作品だ。

ポール=ニューマンの演技もいいけど、
かれの情婦をつとめるビリーがいい味をだしている。

「『スティング』に出てくる女はなんで
揃いも揃って不細工なのか」

なんてひどいことがネットにかかれていたけど、
そんなことはない。
ゴンドルフみたいな大人の男には、
ビリーみたいな女性こそふさわしい。
セリフがなくても、そこにいるだけで雰囲気をつくっていた。

いかつい顔をしたロネガンがまた意外とこまかい。
親分らしくだまってればいいのに、
そこらへんのチンピラみたいに
なんにでも口をはなまないと気がすまない。
まあ、そういう性格の男だから、
ああいう詐欺にひっかかってしまうのだろうけど。
たとえ悪役でも、一生懸命がんばってしまうひとは、
かわいらしくてつい好意的にみてしまう。

「ルパン三世」みたいにかるくて粋な世界を
じょうずに映像にしてくれた、
わたしのだいすきな作品だ。

posted by カルピス at 22:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする