14歳のむすこの誕生日になにをプレゼントするか。
すこしまえならゲーム機やゲームソフト、
あるいはiPodだったりだったりと、
まわりの友達がもっているものはひととおりほしがるので、
おくるほうとしては(いいかわるいかは別として)
そうたいへんなことではなかった。
まだ子どもだったのだ。
でもいまはもう少年になってしまった。
なにをかんがえてるかわからないし、
きいてもまともなこたえはかえってこない。
親とまったく口をきかないわけではないけれど、
自分からはなしをすることはほとんどない。
いちばんむつかしい時期をむかえ、
本人もいろいろたいへんなのだろう。
わたしがいまのむすこぐらいの年齢のとき、
親なんてまったく相手にしていなかったので、
それにくらべるとむすこの態度はまだ友好的といえる。
「スケボーの本かDVDはどう?」とたずねると、
「ああ、いいよ」とひくい声がかえってきた。
わたしにはどれがいいのかさっぱりわからないので、
ネットから本人にえらばせる。
『スライダー』というムック本にきまった。
アマゾンからとどいた本を誕生日に手わたすと、
わりと素直によろこんでくれた。
来年からの誕生日プレゼントはどうなっていくだろう。
もう子どもではなくなったことに
親のほうがついていけなかったので、
今回はなかなかきまらなかった。
これからは、子どもの欲求をみたすものではなく、
そのときどきに相手を気づかって、という
いわばふつうのプレゼントになるのだろう。
大人どうしの誕生日プレゼントだって、
かんがえてみればそう簡単なものではない。
むすこにプレゼントをおくれるのも、
これからさき、そうおおくはないだろう。
プレゼントできるしあわせに感謝して、
もうすこし頭をなやませていこう。