『ステキな金縛り』の感想をかいたとき、
深津絵里についてあまりふれなかった。
関心がないからではなく、
反対にありすぎるからだ。
『悪人』ではじめて深津絵里の存在をしる。
地方都市の紳士服店につとめるさえない女性を
すごくリアルにえんじていた。
「ださかやろ?」とさみしそうにつぶやく光代。
いまでも佐賀の郊外にあるあの店にいけば光代がいて、
すこしてれながら、
あたたかみのある笑顔でむかえてくれるような気がする。
『ザ・マジックアワー』はボスがかこう女の役だ。
自分につごうのいいことしかかんがえない
たまらないタイプの女性だけど、
男はだれも彼女の魅力にはかてない。
ボスの西田敏行みたいに彼女のことは
ぜんぶゆるしてしまいたくなる。
どんな役もそれらしくえんじてしまい、
(『博士が愛した数式』での家政婦さんは
ちょっとむりをしてるかんじがしたけど)、
どんな役もそれぞれにすてきだ。
『ステキな金縛り』では、
彼女のホクロがなんどもアップになって
すごくそそられた。
シワをかくさず、髪もくしゃくしゃで、
そのうえにあの口もとにあるホクロがうつると
ファンとしてはもうたまらない。
幽霊と友達になってしまう女性って、
そんなにはいないとおもう。
それもこれも、みんなあのホクロのちからなのだ。