東洋大学の圧倒的なつよさをたたえるしかない。
往路新記録、復路新記録、
そして総合でも大会記録を8分も更新する
10時間51秒36という大会新記録だ。
2位の駒沢に9分の差をつけ、
きょねん早稲田に21秒差でまけたくやしさを
みごとにはらす。
『風が強く吹いている』をよんだすぐあとだったので、
箱根駅伝特有のことばがよくわかる。
「たすきをつなぐ」「いっせいくりあげスタート」
「学連選抜」「みための順番」。
どれも、これまではなんのことかわからなかった。
学校の名誉やチームの伝統のために、
過剰なプレッシャーをせおってはしることは、
わたしのすきなスタイルではない。
たすきをわたしおえたあとに
たおれこむ選手をみると、
気のどくにおもってしまう。
各選手のはしりに胸をあつくしながらも、
もうひとつその世界にはいりこめない。
『風が強く吹いている』がおもしろかったのは、
ほとんど陸上を経験したことのないメンバーをあつめて
強豪校に、そしてなによりも自分自信に
挑戦するという設定が気もちよかったからだ。
はしるのは、自分のため、
そして仲間のために、だけでいい。