2012年01月18日

中世の雰囲気はじゅうぶん堪能できる『薔薇の名前』(ただそれだけ)(1986年・仏伊西独)

午前10時の映画祭で『薔薇の名前』をみる。
予告編がおもしろそうだったのでみることにしたのに、
本編はそれほどでもなかった。
おもしろくなかったのなら、
わざわざかかなくてもいいようなものだけど、
ひとつの感想だから、ま、いいか、ということで。

北イタリアにある修道院が舞台だ。時代の設定は1327年。
アンコール遺跡がすでにできていた時代か、
ということがなんとなく頭にうかぶ。
熱帯にあるアンコール遺跡とちがい、
設定が冬ということもあって、
修道院とそのまわりの風景はみごとにさむざむしい。
この時代の修道院についてまったく知識がなく、
というか、ヨーロッパ中世というジャンルが
もともとすきではない。

中世は、宗派の対立や異端者への圧制が横行している
暗黒の時代のようにみえる。
まずしさについてどうとらえるか、とか
わらいをみとめると、キリスト教がだめになる、とか
そんなことを真剣に討議する。
いったん確立された権威からはずれると、
とたんに「異端」とよばれ処刑されてしまうから、
こんなときに生まれなくてよかったとほんとにおもう。

村の少女が修道院にはいりこみ、
準主役の修行僧をさそうのだけど、
まったく唐突にでてくる場面であり、
さいごまでその意味をはかりかねた。
犯罪にまきこまれた少女の身を、
その修行僧はずっと心配しているふうなのに、
ラストシーンでは、少女をみすてて修道院をはなれてしまう。
修行僧なのだからしかたのないこととはいえ、
のこされた少女の身にしたら、
なんだったんだあのひとは、というかんじだ。

この修行僧をえんじているのが
クリスチャン=スレーターで、
彼の出演作品をみていたら、
わたしがだいすきな作品
『トゥルー・ロマンス』の主役だったことをしる。
そういえば、ちょっとかわった笑顔にみおぼえがある。
少女役のヴァレンティナ=ヴァルガスのほうは
『グラン・ブルー』にもでているそうだけど、
どんな役だったかぜんぜんおもいだせない。
主演のショーン=コネリーは、
うまいといえばうまいけど、
レビューで絶賛されているほどには感心しなかった。

時代背景について正確な知識があれば、
またちがったみかたができた作品かもしれない。



posted by カルピス at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする