きょねんの12月にあった「オープンソースサロン」で、
クックパッドからこられた井原さんが
必読書として社員に『ウェブ進化論』をよんでもらっている、とはなされた。
変化のはげしいウェブ業界だから、
もっと最新の情報がかかれたものかとおもったのに、
2006年に出版された『ウェブ進化論』とはちょっと意外だった。
それだけインターネットというもの本質ついて、
よく整理された本なのだろう。
この本にかかれている
「インターネットがあらゆるしくみをかえていく」
ということを理解しないでビジネスをするのはよくない、
と井原さんはかんがえられたのだそうだ。
気になったので、『ウェブ進化論』と、その続編である『ウェブ時代をゆく』
(ともに梅田望夫著・ちくま新書)をよみかえしてみた。
『ウェブ進化論』をパソコンの師匠にあたるひとにすすめられてよんだとき、
革命的な変化がいまおこりつつあるのだ、
ということをはじめてしり、とてもおどろいたことをおぼえている。
Googleがいかにすごいかということもこの本ではじめてしったし、
ロングテール理論や、ブログがまねいた「総表現時代」についても
それが意味することをわかりやすく説明してくれている。
2どめによんで気づいたのは、
「本当の大衆化は、これから始まる」と
サブタイトルにかかれていることだ。
2006年当時におこっていたことは、
まだはじまりにすぎず、
本当の変化はこれからだというのだ。
いったいどんな変化なのだろうか。
「これから始まる『本当の大衆化』は、
着実な技術革新を伴いながら、
長い時間をかけて緩やかに起こるものである」
「人は、ネットの世界に住まなくたって、
これまで通りのやり方で生きていける。
そう思う人たちがマイノリティになる時代は
そう簡単にはやってこない」
としながらも、
「ゆっくりと確実に変わっていく社会の姿とは、
二つの価値観が融合し、何か新しいものが創造される世界だろうか。
それともお互いに理解しあうことのない二つの別世界が
並立するようなイメージとなるのだろうか
本書を読み終えたときに、改めてこの問いを思い出してほしい」
わたしは、いまのところ完全な2極化がすすんでいるとおもう。
年齢とは関係なく、ネットに関心があるひととないひとの差はとてもおおきい。
パソコンをつかっているということと、
インターネットがまねいている本質的な変化について
なにかをかんじているかということとも関係がない。
2極化ではなく大衆化へといううごきは
どこにあらわれているのだろうか。
本書が出版されたあとに一般的となったことに、
クラウドと、ファイスブックに代表されるSNS
(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がある。
続編である『ウェブ時代をゆく』には
それらについてもふれてあるが、
そうおおくのことがかかれているわけではない。
この『ウェブ進化論』に、重要なうごきは
すべておさえられているということだろう。
フェイスブックについていうと、
日本はフェイスブックがひろまらない例外的な国なのだそうだ。
チュニジアとエジプトでの革命には、
フェイスブックがひとやくかっていたことが報道された。
日本では「アラブの春」がおこるだろうか。