今野選手はザッケローニ監督にかわってからの全試合に
センターバックとして出場していることで注目されている。
それまであまりはなやかなイメージはなかったひとに、
やっと光があたった、みたいなかんじだ。
遠藤選手は日本代表にかかせないボランチとして、
かえのきかない存在となっている。
しかし、その遠藤選手も、2006年のドイツ大会では、
フィールドプレーヤーとしてはただひとり
試合にでられなかったという屈辱をあじわっている。
けして陽のあたるところばかりをあるいてきたわけではない。
2人とも、日本代表の中心選手としてつかわれるようになったのは、
オシム監督になってからといえる。
オシム監督のすきなわたしにとって、
中村憲剛や駒野とともに、
オシム時代をおもいおこさせてくれるうれしい存在なので、
おつきあいとして本書をかった。
2人が2010年のW杯南アフリカ大会をふりかえったとき、
日本の実力についての認識がずいぶんちがう。
今野 僕は、もっと上に行けると思っていたんで
期待していたんですけどね。
カメルーン戦に勝って勢いに乗ったし、
守備的な戦術がチームにフィットして、
どのチームと対戦してもハマっていたんで。
パラグアイ戦も余裕で勝てるって思ったんですけど・・・・
遠藤 試合には勝っていたけど、
どの試合もチャンスはほとんどなかったし、
内容もそんなに良くなかったでしょ。
俺は、パラグアイに点を取れないでPK戦で負けたことが、
日本の現状の実力なんだなって真摯に受け止めていたよ。
(中略)
まあ守備だけだと、あそこ(ベスト16)が
限界ということでしょ。
客観的で冷静な分析がいかにも遠藤選手らしい。
気おうことなくいつもちからがぬけていて、
どんな場面でもどうじることがない。
まあ、そうでないとコロコロPKなんてけれないだろうけど。
2人はとても仲がいいそうで、
「日本サッカーへの提言」がおかしかった。
今野 僕も「日本サッカーへの提言」を言うんですか?
遠藤 ぶった斬れ!
今野 ここ、斬るところ?うーん、あまり考えたことないですね。
遠藤 FC東京の風呂の改善とか?(笑)
今野 (笑)あれ、どうにかしてほしい。
先日もシャワー止まったんです。
チョロチョロってしか水がでなかった。
でも、それ、日本サッカーと関係ないじゃないですか。
遠藤 やっぱりぶった斬れ!
遠藤選手のかるさがつたわってくるいいはなしだ。
本書が出版されるタイミングとして、すごく都合のいいことに、
今野選手が遠藤選手のいるガンバへ移籍することがきまった。
ボールをつないでいくセンターバックとして
今野選手はガンバのスタイルとあっているかもしれない。
気のあう2人が、西野監督がいなくなったガンバをどうひっぱっていくか、
今シーズンのJリーグのたのしみのひとつだ。