206回目のミラノダービー。
これまで72勝72敗64分けと、
まったくのイーブンなのだそうだ。
前半終了間際に、インテルのゴールキーパー、
ジュリオ=セザールがファインセーブをみせる。
しかし、審判はこのプレイに対してイエローカードをしめし、PKとなった。
ジュリオ=セザールがはげしく抗議するものの、
もちろん判定がくつがえされることはない。
ここからのかけひきにみごたえがあった。
ジュリオ=セザールはなかなかゴールまえにたたないで、
おちつきをとりもどせる時間をかせぐ。
つぎにキッカーのイブラヒモヴィッチにあゆみよって
笑顔ではなしかけた。
表情は笑顔なわけだけど、内容はあきらかに挑発であり、
にっこりわらいながら、おおきく舌をだしてからかっている。
しかしイブラヒモヴィッチは完全に無視して集中をたもつ。
ゴール左すみにするどいキックをきめると、
こんどはそのイブラヒモヴィッチが
ジュリオ=セザールにむかって2倍にやりかえしていた。
味方選手が「まあまあ」と、とめにはいるぐらい
しつこく、はげしいいいあいだ。
後半がはじまると、発煙筒のけむりがピッチにおりてくる。
ボールのないところでも
ピッチのあちこちで選手たちははげしく衝突し、
ひとつひとつのプレイにサポーターがおおきくどよめく。
ダービーらしい異様な雰囲気だ。
後半開始早々の1分に、
ゴールまえでパスをうけたイブラヒモヴィッチが、
ダイレクトでボールを横にさばき、
それと同時に自分もその方向にダッシュして
インテルのディフェンダー2人をおきざりにする。
キーパーと1対1になり、おちついてシュートをきめた。
195センチのイブラヒモヴィッチがボールをもつと、
ふところがふかく、ボールさばきがたくみなため
まもる側にするとすごくやっかいな選手だ。
そして、すくないチャンスをこんなふうに
たかい確率でものにしてしまう。
メッシとはぜんぜんちがうタイプの、
ストライカーちゅうのストライカーといった風格がある。
この試合、長友はフル出場し、4−2の勝利に貢献した。
長友がインテルでプレイするようになって2シーズンがたち、
インテルのメンバーとしてあたりまえの存在になった。
とはいえ試合からはずれる時期もあったわけで、
はげしい競争のなかを生きぬくことができたのだろう。
ヨーロッパには38歳のサネッティみたいに、
ときどきとんでもなくベテランの選手がいるので、
長友にもずっと強豪リーグでプレイしてもらいたいものだ。
インテルは、この試合にかったことで、
チャンピオンズリーグへの出場に、最終戦までのぞみをつなぐ。
おなじ時間帯におこなわれていたユベントス対カリアリの試合で
ユベントスが2-0でかったため、ユベントスの28回目の優勝がきまった。
今シーズンの37試合を、まけなしの22勝15分でおえたことになる。
37試合でまけなしなのに、あまりそのことが評価されているふうではない。
セリエAではよくあることなのだろうか。
参加チームのレベルにあまり差がないJリーグではかんがえられない。