2012年05月13日

「しりしり」はBプラスで、「ラーメンサラダ」はCマイナス

「作家の口福」というコラムで(朝日新聞土曜日版)、
円城塔さんが「しりしり」という料理を紹介されていた。
ほんとうは「しりしり」が料理名かどうかわからないそうだ。
「しりしり器」という、いわゆるスライサーをつかってつくるので
こうよんでいるという。

円城さんはこの料理を大絶賛だ。
下手に手をかけたおかずよりうまいところが問題だ。(中略)
宇宙人が地球侵略のためにつくりだした兵器なのかもと少し疑っている。

と、たいしておもしろくもない冗談をかきたくなるほどおいしらしい。

で、さっそくつくってみた。

・スライサーで2本分のニンジンをおろし、
・それをツナ缶の油でいため、
・火がとおったらツナをいれてさらにいため、
・塩コショウとダシ、それにしょうゆで味つけをする。
・しあげに卵を2ついれてかきまぜる。

これでできあがり。とても簡単だ。
そして、絶賛するほどおいしいかというと・・・、
わるくはない、という程度だろうか。
きょうつくったのは、味つけがうすかったので、
もうすこしこゆくすればご飯にあうかもしれない。
ただ、円城さんのおうちのように常備菜として、
それも主菜の地位をねらおうかというキラーおかずとして
冷蔵庫に常駐させるほどのできではなかった。

このまえは「ラーメンサラダ」をつくってみた。
料理とは全然関係ない本のなかに、
たまたまつくり方がでていた。
クックパッドでもしらべてみると、
アメリカではあんがいポピュラーな存在のようだ。
これもつくり方はすごく簡単で、

・インスタントラーメンをこまかくくだき、
・それにツナと生野菜をまぜる。
・味つけはマヨネーズで、
・やわらかくなるまで全体をかきまぜる。これだけ。

インスタントラーメンをつかうところがおもしろそうなので
すぐにためしてみた。
しかし、これはかなり問題のある料理だった。
家族にもまったく不評で、冷蔵庫にいつまでものこっている。
むりにすすめるわけにもいかず、
わたしひとりがさいごまで責任をとってたべなければならなかった。
ツナと生野菜が材料なので、たべられないことはもちろんないが、
やわらかくなったメンとのくみあわせがよくない。
インスタントラーメンがパリパリいっているうちにたべれば、
もうすこし食感がいいのかもしれない。
これがサラダとしてポピュラーなのは、
いかにもアメリカというかんじだ。
そして、日本でこれがはやらないのも当然だとおもった。

2つの料理に共通するのはツナ缶だ。
だれの口にもあい、まぜればできるので
簡単な料理には重宝するのかもしれない。
『奇跡の自転車』(ロン=マクラーティ・新潮社)には、
ツナサンドばかりたべる主人公がでてくる。
彼がすすめるつくり方をためしてみると、
ほんとうに、ぜんぜん別物のおいしいツナサンドができあがった。
ポイントは、

・セロリをいれること
・レモンをしぼること
・マヨネーズをかけすぎないこと

という3点だ。
「しりしり」より、それに「ラーメンサラダ」より、
こっちのツナサンドがずっとおいしい。
さきにあげた2つの料理でがっかりしたら、
このツナサンドをためしてみてください。

posted by カルピス at 21:40 | Comment(2) | TrackBack(0) | 料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする