下関にある「放課後等デイサービス・ぽけっと」を見学させてもらう。
去年の行動援護研修で講師をされた沖村さんがおられる事業所だ。
沖村さんのスパッといいきる大胆な発言と
柔軟かつ現実的な発想に感心し、
自分たちがデイサービスをはじめるまえに
ぜひ参考にさせてもらおうとおもっていた。
ぽけっとは、いまは午前中に児童発達支援事業を、
午後に放課後等デイサービス事業をされており、
利用者のおおくは発達障害の子どもたちだ。
わたしたちは、はじめに沖村さんから
支援の概要についての説明をうけ、
そのあと子どもたちがじっさいに
どういう活動にとりくんでいるのかをみせてもらった。
ロッカーに荷物をしまった子どもたちは
自分のスケジュールがはってあるところで
その日のながれを確認する。
そして、トランジションションカードをもって
とりくむ活動の場所に移動し、
それがおわるとまたスケジュールのある場所にいって
つぎの活動のカードを手にし・・・、と
みとおしをもってその日の活動にとりくんでいる。
きょうは9名の利用者のうち8名が自閉症の子どもたちで、
子どもたちがスケージュールにそってスムーズにうごくようすは
衝撃的だった。
ぽけっとのうごきをマネージメントしているのが沖村さんだ。
じっさいの支援だけでなく、
保護者への啓発にもちからをいれておられる。
ぽけっとのサービスが、保護者の就労支援ではなく、
子どもたちへの療育であることを理解してもらい、
事業所としてしなければらないことと、
保護者にも協力してもらわなければならないことを
しっかりおさえておられることが印象にのこる。
たとえば、定員数がきまっているので、
たくさんのひとが利用できるように
利用回数を週1〜2回にしてもらったり、
送迎はほんとうに必要なひとだけにかぎったりと、
あづけっぱなしにならないよう
利用する側にも協力をおねがいする。
大人になったときにゆたかな生活がおくれることを
支援の目的として位置づけるとき、
事業所が「なんでもできますよ」とやってしまうより、
保護者にも負担してもらったほうが、
ながい目でみると、けっきょくは親と子の自立をうながしていく。
支援の方法も保護者への協力のもとめ方も、
わたしたちがはじめるピピでいかせることばかりだ。
沖村さんになんどもお礼をいいながら、
じっさいに形としていかすことでしか
ほんとうの意味でのおかえしはできないことを肝にめいずる。