鹿島と仙台を中心とする「チームアズワン」
(ほかにも東北出身の選手がはいる)と、
Jリーグ選抜との試合がチャリティーマッチとしておこなわれる。
「チームアズワン」には、ユベントスを
5月に引退したばかりのデルピエロがはいる。
こうやってひとりのスタープレーヤーをもちあげるのは
あまりすきなことではない。
舞台裏で、どんなうごきがあったのだろうか。
ただ、きょうの試合では、どちらのチームからも
いい内容のサッカーをしようという気もちがつたわってきた。
はじめはJリーグ選抜がおしていたけど、
そのうちに「チームアズワン」が
とても即席チームとはおもえないつながりをみせはじめる。
おわってみれば4-0と大差の勝利だった。
Jリーグ選抜としては、ちょっとかっこわるいまけかただ。
デルピエロも2点目となるミドルシュートをきめる。
ディフェンダーにあたって角度がかわったのかとおもったほど、
シュート回転のボールがキーパーの逆をついた。
コンディションがよくなく、あまりはしれないけど
ボールコントロールはさすがにうまい。
つぎに所属するチームへのうりこみに
日本にきたのだろうか。
後半終了間際に中山雅史選手がはいる。
ひざにまいたテーピングがいたいたしい。今シーズンはまだ
コンサドーレ札幌で出場する機会がないのだそうだ。
ピッチにたつと、それだけでもううれしくてたまらないという笑顔で、
敵味方関係なく、そこらじゅうの選手と挨拶をかわしている。
完全にフリーな状態でシュートをはなつが、
ゴールのはるかうえをボールがこえていく。
うった瞬間ゴンさんはひざをつき、頭をかかえる。
つぎにピッチにうつぶせになって
手足をうかせてカメみたいなポーズをとった。
このひとがいるだけで
まわりがしあわせになれるという稀有な選手だ。
Jリーグは大震災復興への支援を
こういうかたちでつづけている。
鹿島アントラーズの小笠原選手が中心になってたちあげた
「東北人魂を持つJ選手の会」のうごきもよくしられている。
「わすれないことがだいじ」なんて
もっともらしいことをいいながら、
わたしの頭のなかから、
復興支援のことが完全にぬけていたことに気づかされる。