こんどは
急に思い立って、島根に行ってきた。
とある。
急におもいたって島根にいくことが一般的かどうかは別として、
島根県民としてはこれもまたほってはおけないはなしだ。
どーしたんだ三浦しをん。放課後といい、島根県といい、
こんなにわたしのよわいところをついてくるのは偶然なのか。
「島根紀行その一・その二」として、2回分のエッセイを
島根での旅行にあてている。
島根県以外のひとがこんなはなしに興味をもつのだろうか。
そうおもうのは、地元民の屈折した心情にすぎないのか。
三浦さんは、まず加賀の潜戸(くけど)をたずね、
そのつぎが荒神谷遺跡、そして三瓶の自然博物館へ。
三浦さんによると、
私は旅先で、かなりいろんな博物館を見てきたが、島根の博物館の展示物の質と量は郡を抜いている。
そうで、
こういうことは、いわれてみないとなかなかわからない。
この3カ所ともわたしはたずねたことがあり、
たしかに魅力はあるけれど、
東京からわざわざみにいくほどのものとはおもわなかった。
島根県からとおいところにすむひとは、
島根県にたいして、わたしが想像しているよりも
ずっと多様なイメージをもっているのかもしれない。
島根スーパー大使吉田くんの功績だろうか。
三浦さんは、つづいて温泉津温泉をたずねる。
公衆浴場は「薬師湯」と「元湯」の2つがあるそうで、
その両方にはいってみての感想は、
「はっきり言ってどっちもいい!」
「翌日もお肌はツルツル、
いつもは常に冷たい足先もぬくもったままだったので、
効き目は抜群だ」
というから、ほんとにいいお湯なのだろう。
薬師湯さん、エッジとしてつかえませんか。
三浦しをんさんの本は、デビュー作の『格闘するものに○』をよんでいらい、
何冊かに目をとおしている。
『風が強く吹いている』は、よせあつめチームをつよくするという
わたしがすきなジャンルで、
いつもはひややかにみている箱根駅伝にすごくあつくなった。
本書ははじめてよむエッセイで、
エッセイでしる三浦さんは、ダメさいっぱいのおもしろさだ。
ついでに、「島根紀行」につづく「なんでもベスト5」、
「ダイエットを決意した瞬間」も興味ぶかい。
第3位にあげられているのが
二年前までは穿けた、それどころかウエストでくるくるまわっちゃって難儀したスカートが、スモールライトを浴びたとしか思えぬ布きれに変じたとき。ま、これはよくあることですよね。洗濯の際に縮んじゃったんだと思う。ちゃんとクリーニングに出したんだが・・・
実物の三浦さんにあってみたい。