タイトルだけをみると、「ただしいひと」になることをめざす
わたしがきらいなタイプの本におもえる。
でも、佐々木正悟さんがお金の不安についてシゴタノにかかれた
日、1日と貯金が目減りしていく中で、ブログなど書いていられるかと当然、思う日が来るでしょう。けれども私のようにぬるま湯に浸かって生きてきた人間でも、定義上知らざるを得ないことがありました。自由とは、合理的ではない理由でも選択するから、自由なのです。
をよみ、
このひとの人生観は、わたしにあっていることをかんじた。
ほんとうに、損になることがわかっていてもえらぶことがある。
それでもえらぶから自由、ということにすごく納得できた。
本書では、「すくやる人」にかわる55の方法がとりあげられている。
「未来の自分に期待しない」
「朝一でやる」
など、ささやかだけど、たしかに効果がありそうな方法だ。
わたしがいいとおもったのは
「やりたいことを増やさない」で、
それに関連して、
なるべく多くの夢を実現させようという本もありますが、実際問題、できないのです。だから、やらないことを決めるのも手です。(中略)
やらないことを決めることで、やれるようになる、ということも覚えておいてください。
というアドバイスもたしかに腑におちる。
とはいえ、率直にいって、55もある方法をよんでみたものの、
おもしろくはよめたが、
「すぐにやろう」とこころをうごかされたものはない。
こうした実用書を、ただよみものとしてたのしむのは
いちばんよくない読者だろう。
「おわりに」で、佐々木さんは大どんでんがえしをうつ。
これをいってしまうと、この本の趣旨から外れますし、元も子もないようですが、すぐやる人にならないほうがラクではあります。何ごともつねにすぐやり、何かに追われるように生きていると、くたくたになってしまいます。
すぐやることは、大切ですから、本書で紹介してきた方法でクリアしてほしいと思います。ただ、つねに「すぐやる人」であらねばならない、という強迫観念に縛られなくてもいい、ということを最後にお伝えしたいと思います。
佐々木さんはすごく正直なひとだ。
わたしはそのアドバイスにしたがい、
いいとこどりをして、部分的な「すぐやる人」をめざそうとおもう。