2012年10月29日

しつこくブラジル戦について(西部謙司さんのみたては)

西部謙司さんのメールマガジンに
ようやくブラジル戦についての記事がのった。
西部さんはスペインへの取材旅行にでており、
帰国してからようやく録画でブラジル戦をみたようだ。
スペインゆきは、戦術おたくとして有名なビエルサ監督がつとめる
スペインのアスレチック=ビルバオをたずねることが目的で、
そのふうがわりな練習もすこし紹介されている。

ブログにブラジル戦のことをかくのはこれで3ど目になる。
なんでいまさらブラジル戦を、というかんがえ方もあるだろう。
たまたま西部さんのメールマガジンにのっていた
河治良幸さんとの対談で
サッカーって90分で終わりじゃないんですよね。コーヒー飲みながらとか、夜明けまで語ったり。線で繋がってるものだと思うんで。イングランドとかでもそうですけど、土日で試合を見て、それ以外でも飲む時間とかサッカーの話で。大きい試合だと一週間サッカーなんですよね。 あーだこーだ話して。(河治良幸)

というはなしがあった。

そうなのだ。試合をみておわり、ではあまりにもさみしすぎる。
その余韻にしばらくひたってもいいじゃないか、というわけで、
2週間たってもしつこくブラジル戦についてかいてみたい。
といても、今回はわたしの意見ではなく、
すべて西部さんによる「みたて」の紹介だ。

もうひとつの「いまさらブラジル戦」の理由は、
フモフモさんのブログにあった
ブラジルを恐れ、怯えながら浅めの傷で勘弁してもらうのがこれまでの日本だったとすれば、今回は本気でケンカを売って結果的にボコボコにされた…そんな一戦でした。

というまとめに感心したからだ。
フモフモさんは、比喩によって
あることの本質をわかりやすく説明する技術にたけている。
そうだ。ボコボコにされてもすがすがしかったのは、
相手におびえないで試合にいどんだからだ。

と、いうわけで、西部さんによるブラジル戦の分析について。
西部さんのメールマガジンは有料なので、
あまりたくさん引用するのは適切でないだろう。
とはいえ、西部さん独特のきりくちはとても魅力があり、
ついたくさん紹介したくなってくる。

・ブラジルは、致命的に組み立てができない。
もし日本に引かれていたら点をとるのは難しいチーム。

・4失点はミスがらみなので、失点自体はあんまり気にしなくていい

この、ミスについてのかんがえ方がいかにも西部さんらしい。

誰もミスしようとは思ってませんから。次にミスにならないように修正するしかありません。ミスを減らすように努力するだけです。ただ、減らそうとしてもそう簡単に減るものではない。ミスはゼロにはできないでしょうから、努力は必要ですが気にしてもしょうがないわけです。ミスが続くなら、もうそれは個人のクオリティの問題なわけで、代表ではプレーできなくなるでしょう。

もう1つは、あんまり気にしてほしくないんです。その場のミスを減らしたいだけなら、ゴールから50メートルより遠くへボールを蹴り出してしまえばいいだけです。直接失点につながるようなミスはそれでなくなります。しかし、それでは何の進歩もないわけで

・ブラジル戦で浮き彫りになったのはむしろ攻撃の問題であり、
そのひとつとして、裏へのとびだしがなかった、という指摘。
一番気になるのは、攻撃に『深さ』を上手く作れていないこと。何回かは非常にいい形をみせています。しかし、不発もけっこう多かった。本田をトップに使ったので、実質的にはゼロトップになっていました。ブラジルのCBは誰もいないスペースを守っているので、その手前では日本が数的優位になります。だからボールはキープできていました。問題はそこからフィニッシュへかけての アプローチです。

西部さんのまとめはあんがい楽観的だ。
結果は完敗でしたが、ボールの運び方はおおむね良かったし、もうひと工夫と決定力があればブラジルからでも点はとれるでしょう。あそこまでオープンな試合をしなければ、少なくとも僅差にはできると思いました。

これは、おおくのひとがかんじたことでもある。
ブラジルが、まったく手のとどかない異次元のチームなのではなく、
創意と工夫によって、本気でいどむことができる相手となった。
スペイン、あるいはバルセロナよりも
ブラジルのほうが日本は金星をあげやすそうだ。

posted by カルピス at 19:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする