2012年11月07日

人型寝袋という世界

きのうの新聞の通販ページに
「歩ける寝袋!トイレも読書もそのままで!」
という商品がのっていた。
「NEW動けるあったか寝袋」というもので
「着るタイプの人型寝袋」とある。
『野宿野郎』のサイトをみて、こういう寝袋があることはしっていた。
しかし、この新聞広告は、きっとなにかの冗談なのだろう。
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「着たまま歩ける寝袋です」
はいいとしても、
「夜中のトイレも、読書や作業もそのままでOK!」
「地震や火事でもすぐに避難することができます」
「専用の収納袋に入れれば、布団では考えられないほどコンパクトに」
となると、いろいろつっこんでみたくなる。

だれが寝袋をきたまま作業をするのだろう。
それはもう寝袋というよりも、寝袋の機能をもった、
つまりすごくあたたかい「つなぎ」ではないのか。
それに、寝袋にはいったまま避難する必要なんか絶対にない。
緊急のときには寝袋からでて、
すばやくうごいたほうがいいにきまっている。
こうしたきめつけは、往々にして思考をまずしくするので、
わたしはできるだけ「絶対に」といわないようにしている。
でも、寝袋ほど「避難」となじみにくいものはおもいうかばなかった。
また、寝袋の収納サイズを布団とくらべられてもこまる。
寝袋が布団ほどかさばるのなら、寝袋の意味がない。

いっぽう、ちょっと気もちがうごくのは、
寝袋のままトイレにいける、という情報だ。
「男性のみ」とはなっていないので、
おしりをだすための特殊なファスナーがついていて、
きゅうな尿意・便意に対応してくれるのだろう。
さむい夜に、せっかくあたたかくなっている寝袋からぬけださずに
おしっこができるのはとてもありがたい
(チャックまわりがよごれそうだけど)。

ネットで検索してみると、
ほかにも人型寝袋がいくつかヒットした。
いかによい商品であるかのルポものっていて、
いまではひとつのジャンルとなっていることをしる。
『野宿野郎』の、社員のようなものになろうという
わたしがみすごしていたのは不覚だった。
需要があるから供給されるわけであり、
おおくのひとが人型の寝袋を必要とする理由はなんなのだろう。
冬のさむさ対策ということは、
アウトドアよりも部屋での利用を前提とした商品のようだ。
ミノムシのように、ただ袋にもぐりこんだままよりも、
おなじ機能をはたしながらうごけたほうが便利というのは
だれでも発想しそうなアイデアだ。
ほんとに便利なのか、なんちゃって便利なのかは
つかってみないとわからない。
これからのさらなる発展に期待したい。

posted by カルピス at 10:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする