2012年12月03日

電子書籍と紙の本。ポイントは「どちらが便利か」

電子書籍元年といわれながら、
いまだに決定的にはひろまらない電子書籍。
わたしも、ちかぢかかうだろうとおもいながら、
これまで一冊も手をだしたことがない。
末端については、楽天やアマゾン、それに朝日新聞までも新商品をだし、
値段がじゅうぶんこなれてきたのに、
肝心の電子書籍がうれないのはなぜか。

けっきょく、佐々木正美さんが「シゴタノ!」にかいておられる
便利ならみんなが使う」につきるとおもう。
地図や辞書は、すでにあたりまえのこととして
電子書籍にうつっている。
電子辞書と紙の辞書をくらべてみて、
などとあらためていうまでもなく、
携帯性において電子辞書が圧倒的に便利だからだ。
そして、ほかの分野では便利さを強調できないのでひろまらない。

「このなかに何千冊はいります」といわれても
アドバンテージにかんじるひとばかりではない。
ぶあつい本をもちはこぶ必要がないといわれても、
それが本にせっするよろこびというひともいる。
紙の本がこんなにも強敵だったとは、
電子書籍業界も手をやいているのではないか。

このまま本と電子書籍が併存していれば、
そのうちすみわけがすすんで、
おさまるところがきまってくるのだろう。
小説は紙で、新書は電子書籍、というかんじでの
ジャンルによるすみわけだ。
マンガ(コミック)はいかにも電子書籍にむいていそうだし、
参考書やマニュアルも、すぐに辞書をひける電子書籍のほうがよさそうだ。

そんなことはまえからわかっていたはず、ともいえる。
それがなかなか流通しないのは、
出版界の事情が左右しているのだろう。
いまはあまりにもコンテンツがすくないので、
この状態で電子書籍のメリットを主張しても
消費者としては賛同することができない。

圧倒的なメリットとなるのは
値段よりも便利さだろう。
いちどその快楽をしったら、もうあとにはもどれない、
くらいの便利さを体験させてもらいたい。

個人全集なんかどうだろう。
村上春樹の関係書籍が全部はいってます、というキンドルが
5万円でうりださたらほしくなりそうだ。
そうやってユーザーのこころをつかむ商売をまずやってみればいいのに。

posted by カルピス at 21:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする