ガンバ降格その後
ガンバのJ2降格についておどろきの声をよくきく。
いろいろな分析がされており、
そのひとつに
「後半ロスタイムの失点はリーグワーストの8で、
結果的に4試合を落とした」(12月8日・朝日新聞)
というのがある。
その記事では、試合終盤に運動量がおちた、という仮説から
その伏線としてかんがえられる
キャンプでのはしりこみ不足を指摘していた。
なんでもかんでも「キャンプでのはしこみ不足」にするのは
野球の評論でもよく耳にする。
春さきにはしったからといって、
その貯金にどれだけ期待できるだろうか。
なんだか精神論的な意味あいがつよくかんじらて、
「キャンプでのはしりこみ不足説」は
まえからすきではなかった。
リーグ後半のガンバは多少なりとももちなおしている。
前半戦が3勝10敗4分なのにくらべ、
後半戦は6勝4敗7分だ。
とくに6月から9月のあつい時期に
5勝5敗5分だったのだから、
キャンプでのはしりこみ不足
だけのせいにはできないだろう。
まず指摘できるのはスタートのつまづきだ。
新監督にむかえたセホーン氏とそのスタッフが
チームにあわなかった。
リーグ戦で3敗した段階で松波氏に監督がかわったものの、
いちどくずれたチームをたてなおすのは容易ではなく、
最後まで安定したつよさをとりもどすことはできなかった。
また、なんといっても失点がおおすぎた。
リーグ1の67得点していても、失点が65もある。
これはリーグ17位(18位は札幌)であり、
3点以上あげないとかてないという
異常な結果をまねいた。
なぜ失点がおおかったのかについては、
前述したとおり、キャンプでのはしりこみ不足だけとはおもえない。
来季のガンバは、失点の原因を分析することからはじめる必要があるだろう。
最終戦のジュビロ磐田戦は、
この試合にかてば残留の可能性があったのに、
1-2でやぶれている。
試合開始から積極的にボールにからんでいったのは
むしろジュビロの選手たちで、
どうしてもかちが必要なガンバなのに、
前半5分というはやい段階に失点してる。
結果論だけど、どうしてもまけてはいけない試合に
ゆるいはいり方しかできなかったガンバは、
おちるべくしてJ2におちるのであり、
ガンバという顔で判断せずに
シーズをとおしての試合内容からふりかえれば、
よわいからおちたとしかいえないのだ。
J2におちるガンバが、ダントツにつよさを発揮できるかというと、
否定的なみかたがつよいようだ。
J2はまもりを基本にしているチームがおおいこと、
よくはしるチームがおおいこと、
そしてチームの高齢化、というとらえかたからだ。
J2からあがりたてのチームが
J1でいい成績をのこすことからわかるとおり、
J2のレベルはけしてひくくはない。
なによりも、どんなメンバーで
ガンバは開幕にのぞめるかがはっきりしていない。
年俸のたかい選手が
この先の交渉でどういう判断をするだろうか。
ガンバ側も経営的にくるしいと、
これまでのような補強はむつかしくなる。
とはいえ降格がきまってしまったのだから
ピンチはチャンスとかんがえて
あたらしいチームをつくりあげるしかない。
あんなことがあった、となつかしく2012年をおもいかえせるときが
かならずくる。