『本の雑誌1月号』は
2012年のベスト10特集だ。
いつものように社員がお気にいりの本を推薦しあい、
あげられた本についてバランスをかんがえながら10位までをきめる。
ノミネート(というほどおおげさなものではないけど)された作品には
わたしがよんでいるものがなかった。
この1年間、いかに新刊書をよんでこなかったかがよくわかる。
それぞれの本のセールスポイントがあつくかたられており、
2冊をさっそくアマゾンで注文する。
『売れる作家の全技術』(大沢在昌)については
発人 これを読むと小説の読み方がかわるんだよね。
営A 明らかに変る。読んでいる小説がなぜつまらないのかという
理由がよくわかる。
視点がぶれているとかね、すごく具体的なの。
『ピダハン』(D=L=エヴェレット)は
営A オールタイムワンです。
宣教師であり言語学者のようなひとが
アマゾンの奥地に入っていくんですけど、
いろんな意味で驚きの連続。
これがなければ2012年の読書界はないというくらいの本です。
なんてかかれると、すぐによみたくなる。
今年はあまり本をかわず、よむ量もへってしまった。
とても2012年のベストをかたる資格はないけど、
むりにベスト3のできごとをあげると
1 角田光代の本をよみはじめる
2 東直己の「ススキノ探偵」シリーズをしる
3 『BORN TO RUN』をよんだこと
ということになり、
いずれも今年発売された本ではない。
「よんだなかで」のベスト1は、
樋口毅宏の『さらば雑司ヶ谷』だった。
角田光代のおもしろさをなんでいままで
しらずにきたのだろう。
このひとの本は「はずれ」がない。
どの本もそれなりによませるし、
いいものはとびきりすごい。
「ススキノ探偵」をよむと、つい酒をのまずにおられなくなり、
きまって二日よいにくるしむということをくりかえした。
『BORN TO RUN』はよむおもしろさとともに、
自分でもはしってみようという気にさせてくれる本で、
おかげでいまも長距離のランニングをつづけるられている。
3つのあたらしいおもしろさにであえたのだから、
2012年はまあまあの年だったのかもしれない。
来年はいよいよ電子書籍をためしそうな予感がする。