2013年01月02日

長友の本気がつたわるか。2014年W杯にむけて

NHKの番組で、2014年ブラジルワールドカップ、
そして2013年のコンフェデ杯にむけた番組をやっていた。
2部構成で、1部がザッケローニ監督へのインタビュー、
2部がヨーロッパでプレーする日本人選手についてのものだ。

ヨーロッパでプレーする選手については、
吉田麻也・清武・長友に焦点をあて、
それぞれに15分ほどかけて移籍してからの変化と、
ブラジルW杯にむけてのいきごみをかたっている。
3人の選択もよかったとおもう。
これが川島や長谷部だと、いいそうなことが予想できて
あまりおもしろみがない。
長友は、こういう企画になんどもとりあげられているけど、
あのひとはどんどん自信をふかめ、
別の次元にいったってるので、
きくたびにあたらしい発言をしてくれる。

吉田麻也は世界最高といわれる
プレミアリーグでプレーするようになった。
このリーグで1年間もまれれば、
自分がどんどんかわっていける予感があるという。
所属したのがサウサンプトンという
昇格したばかりのチームだったのもよかったようだ。
はじめはチームとリーグになじまず、
失点をゆるしてしまう吉田麻也を我慢してつかいつづけた。
そのなかで吉田は自分なりに対応を工夫し、
いまではレギュラーとして
安定したちからを発揮だせるようになった。
対戦するチームのフォワードは、
だれもがトップレベルの選手なので
この環境でえることのできる経験ははかりしれない。

清武はブンデスリーガのニュルンベルクでプレーする。
パスを選択してばかりだった自分に納得せず、
このごろではまずシュートという意識を
たかめるようにしているとはなす。
コメントとしてはでていないが、
このわかいメンバー中心のチームは、
全体よりも個人を主張する選手がおおく、
清武がだすパスがチームプレーとして発展せず、
個人のエゴどまりになるケースがおおかったようだ。
清武はそんなチームで埋没するのをいさぎよしとせず、
自分も積極的にシュートをねらうようになった背景がある。

吉田も清武も、いま自分のいる環境でちからを発揮することが、
自分の生涯において大切になってくる時期であることを自覚しており、
それが日本代表にとってもいい影響をおよぼすと確信している。

長友は別格だった。
インテルでのプレーが4シーズン目となり、
いまでは複数のポジションをこなす、
なくてはならないメンバーとしてチームをささえている。
昨シーズンはとちゅうで監督が2回もかわり、
そのたびにベンチにほされて自信をうしなうこともあったという。
そのときに長友をささえたのは、
自分をみつめなおすことだ。

「けっきょく自分の能力をひきだすのはメンタルですね。
人よりもつよくなりたい。
人よりもうまくなりたい。
という気もちだけです」

きょねんおこなわれたブラジルとの親善試合は、
0−4でやぶれたにもかかわらず

「はじめての感覚だけど、
もえあがるようなものをかんじた。
世界をめざすうえでの光がみえたというか、
あそこにはしっていけば、つかめるんだといことが」

長友は本気でW杯での優勝をめざしている。
それはひとりではできない。
チーム全体で共有しなければならないことで、
その点で、まわりの選手との温度差があることを、
長友はもどかしくおもっている。

インテルにはいったばかりの長友とはぜんぜん別人だ。
おちついて、自信にみちている。
この自信は、なんとかチームにとけこもうと
はったりでみせる自信などではなく、
自分にできていることとできないことを
冷静に分析したうえでの可能性を根拠にしている。

うえをめざしていくことにゴールはない。
かりにブラジルW杯に優勝したとしても、
それはすぐに「すんだこと」になってしまい、
またべつの目標が必要になるし、まわりもまたそれを期待する。
長友は、きっとそれでいいのだろう。
おおきな目標だけでなく、
日々の練習や試合においても
それぞれの目標を設定することができる。
できなくなったときがゴールであり、
それまでは自分にできることを納得いくまでやりつづける。
それは自分へのほこりの問題であり、
それができているからこそ、
いまの長友は自信にあふれ、ほこりにみちている。
こうしたすぐれたモデルがチームにいることは、
日本代表にとってかけがにのない財産だろう。
長友や長谷部たちの本気がほかのメンバーにもつたわり、
2014年にひとつのピークにたっしたときの活躍がたのしみだ。

posted by カルピス at 11:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする