1月2日放送の『北極圏3000キロ
白夜の大航海 ホッキョクグマの聖地をいく』について。
ノルウェーのスバールバル諸島周辺をヨットでめぐり、
北極圏にすむ動物を観察していく。
いくつかのめずらしい映像が紹介された。
「その1」
地球温暖化で氷河がとけはじめ、
氷があったところに陸が顔をだして
植物がはえていた。
わたしは温暖化になると、
なんとなく地球がおわってしまうのではないかという
危機感をもっていたけど、
生命はそんな中でもちがう形態をえらんで生きつづけようとする。
氷河がとけるとホッキョクグマはこまるかもしれないが、
その環境をよろこぶ生物もまたかならずでてくる。
地球にいきる生命のけなげさを
意外なところでしることとなった。
「その2」
しとめたアザラシをホッキョクグマがたべている。
つかれはて、うとうとしながらたべるうちに、
ほんとうにねいってしまった。
よほどギリギリの状態での獲物だったろう。
また、たべられるときに、とにかくお腹にいれておこうとする
ホッキョクグマの本能もみごとだ。
「その3」
ホッキョクグマは頭をあげた姿勢をとり、
前足だけをつかっておよぐ。
うしろ足はカジをとるのにつかうのだそうだ。
ホッキョクグマは時速10キロのスピードで
10時間およげると、番組で紹介していた。
どこかにそういうデーターがあるのだろう。
しかし、時速10キロというと、
めちゃくちゃはやいスピードだ。
1500メートルを15分弱という
世界トップクラスのスピードで1時間およげたとしても、
人間は6キロしかすすめない。
あのおおきなホッキョクグマが、
さほどいそいで手をうごかしてるようにはみえないおよぎで、
オリンピックスイマーの倍ちかいスピードを
10時間もつづけられるようにはとてもみえない。
セイウチが時速35キロでおよぐというから、
まわりがはやすぎてホッキョクグマの水泳が目だたないけれど、
時速10キロとは人間からするとものすごいスピードだ。
もっともホッキョクグマの手には水かきがあるので、
人間よりはやいのはあたりまえなのかもしれない。
ネットでしらべると、ホッキョクグマのおよぐスピードとスタミナは
有名なはなしのようだ。
「米地質調査所がホッキョクグマのメス 52 頭を追跡調査したところ、
50 km 以上の遠泳が計 20 頭、合計 50 回観察されたそうだ。
1 回の遠泳の平均は時間にして 3.4 日、距離にして 154 km だった」
ありえない数字におもえるので、
なんにんものひとが人間にたとえて試算している。
人間がせいいっぱい手足をうごかして、
めちゃくちゃ回転をあげておよいでいるよこを、
ホッキョクグマは悠然とその倍のスピードでおいこしていくことになる。
もとスイマーであるわたしの脳は、
すんなりこの事実をうけいれることができない。
ホッキョクグマはなんでまた
こんなにながい距離をおよぐのだろうか。