平川克美さんの
『ビジネスに「戦略」なんていらない』(洋泉社)
をめくっていると、おもしろそうな箇所があちこちにある。
「わたしが言いたいことは、
実は『ビジネスはお金のためだけじゃないよ。
もっと崇高な目的があるはずだよ』
ということではありません(中略)
明確な目的が事前にあるものだとする考え方そのものが、
ビジネスをつまらなくさせている
原因のひとつであるということなのです」
平川さんの文章は、それまで常識だとおもっていることをうたがい、
かんたんにひっくりかえしてしまうおもしろさがある。
仕事やお金について、ふつうにいわえることと、
まったくちがう視点をしめしてくれている気がする。
ただ、こまったことにわたしにはその内容がよく理解できない。
やさしいことばで、とてもわかりやすくかいてあるのに、
全体としては内容が頭にはいらない。
こういう著者が平川さん以外にもわたしにはなんにんかいて、
養老孟司さん・内田樹さん・橋本治さんの本は
よんでいてもすぐに頭のなかをとおりすぎてしまう。
ひとつひとつの文章はむつかしくないとおもうのに、
一冊の本としてはよく理解できず、
不完全燃焼な読書となる。
内田樹さんは平川さんの親友と本書にかいてあり、
あ、やっぱり、とへんなところで納得してしまった。
内田樹さんの本を、わたしは3冊ほどとちゅうで挫折している。
わたしの頭のわるさにくわえて、相性がきっとよくないのだ。
このごろではもうあきらめてしまい、
いくらおもしろそうでも手をださなくなった。
そうしたときにであったのが平川さんで、
本のあちこちにハッとさせられる記述があるのに
よみとおすことができない著者がまたふえてしまった。
やさしい言葉をえらんでかかれているのにうまく理解できない。
このひとたちの本の、どこにひっかかって
わたしの脳はうけいれないのだろう。