2013年05月04日

ピクシーへのインタビュー。「Jリーグのよさは『リスペクト』の精神」

フロンターレの試合が2週つづけて放送された(NHK/BS)。
先週のFC東京戦とのちがいは、
中村憲剛がケガからかえってきたこと。
憲剛の絶妙なスルーパスが
90分をとおして何本もみられた。
両チームとしても、試合のたちあがりから
積極的なプレスをみせる。
フロンターレは先週のふがいない敗戦で
ひらきなおることができただろうか。

みごたえのある試合だった。
2連敗ちゅうのグランパスと、
まだ1勝しかしていないフロンターレ。
どちらもなんとか勝点3がほしい試合だ。
フロンターレは何本もシュートをはなつがきめきれない。
はいる気がしないなーとおもっていた前半ロスタイムに、
小林悠がヘディングでうまくボールをそらし先制する。

後半からはグランパスがサイドを起点に
ゴールまえにどんどんほうりこんでくる。
名古屋のたかさはいつもながら迫力がある。
後半38分に藤本のミドルでおいつかれてしまった。
ケネディがクサビになり、
キープしてから藤本にボールをあずけるという、
名古屋らしい得点だ。
1点をまもりきるよりも、
うちかつフロンターレであってほしいので、
そのあとのせめを期待する。
後半41分に、風間監督はケガがまだ完全ではないレナトをおくりだす。
1分後、そのレナトがゴールまえでねばり、
ディフェンダーをひきつけておいて
山本のまえにボールをころがす。
ミドルシュートがみごとにきまり、かちこしの2点目となる。
そのままなんとかまもりきり、フロンターレが2勝目をあげる。

放送の「10分後!」におこなわれる『Jリーグタイム』では、
Jリーグがはじまってから20年になるのを記念して、
毎週ひとりずつのゲストに
Jリーグとのかかわりをインタビューしている。
今回はストイコビッチ監督だった。
華麗というよりない選手時代のテクニックと、
監督時代の「まぼろしの超ロングシュート」がリプレイされる。
これは2009年のF・マリノス戦で、
相手キーパーがけったボール(ミスキック)を、
ベンチからとびだしたストイコビッチ監督が
ダイレクトでけりかえしたものだ。
ただけりかえしただけではなく、
ちゃんとゴールにすいこまれたのだからすごい。
スーツと革靴でのありえない正確なキック力。

ピクシーはインタビューで、
Jリーグのよさとして「リスペクト」あげた。
チーム・サポーターがいったいとなって勝利をめざしながら、
どうじに相手選手・チームへのリスペクトをわすれない。
サッカーでおおくのひとがつながっているという精神が、
Jリーグに所属するどのチームももっているのはすばらしいという。
一般論としての「リスペクト」ではなく、
旧ユーゴ、なかでもとりわけ悪役になりやすい
セルビア出身のピクシーならではの発言だ。
サッカーというおなじスポーツをしていながら、
どの民族にぞくするかで差別やにくしみの対象となった
崩壊まえのユーゴスラビア
(木村元彦著『誇り』『悪者見参』『オシムの言葉』など)。
セルビアという名前を背おうことで
外国でのプレーをきんじられたりもしている。
サッカーに集中できる環境は、
自然とあたえらえるものではない。

ピクシーがみせてくれたスーパープレーや、
リスペクトについてのコメントをきいていると、
おおくの方々の尽力により日本のサッカー、
そしてJリーグがそだってきたことがわかる。
昨夜の試合もまた、その歴史の一部となるすばらしい内容だった。

posted by カルピス at 10:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする