Jリーグ中継の「10分後!」にはじまる『Jリーグタイム』で
アシスタントをつとめる伊藤ゆりさん。
NHKのアナウンサーかとおもっていたら、
タレントなのだそうだ。
いぜんはしろうとっぽかったのに、
このごろはいいプレーをしっかり評価する
「専門家」としてのちからをつけてきた。
試合のまえやあとに、選手へのインタビューをすることがあり、
そのときには相手の目をまっすぐにみて
一生懸命に質問する。
あまりにもじっとみつめるので、選手たちもこまってしまい、
やりにくそうにうけこたえしている。
番組の最後に、その日でいちばん印象にのこるシュートを
「ゆりすぐり」と称してとりあげるコーナーがある。
このごろは、はでさではなく、
うまさがひかる玄人ごのみのシュートをとりあげるようになり、
ゲストの解説者にほめられることがおおくなった。
5月6日の放送では、解説者が早野宏史さんだったため、
ずいぶんいじられていた。
この日の「ゆりすぐり」は浦和レッズの原口元気選手だ。
原口選手のシュートは、キーパーが手でパスしたボールを
70メートルもずっとドリブルで相手ゴールまではこび、
さいごには3人のディフェンダーをぬいて
ひとりできめるというすごいものだった。
早野 「ダビ選手のシュートとどっちをえらぶかとおもいましたけど、
原口選手のほうをえらびましたね」
ゆり 「どっちにしようかとおもったんですけど」
早野 「わかいほうをえらびましたね」
この他の発言では、
早野さん「◯◯選手は顔つきがかわってましたねー」
ゆりさん「メラメラしてました」
メラメラする、という表現をはじめてきいた。
雰囲気がつたわってくるし、
ゆりさんらしいいいまわしだとおもう。
舌ったらずで、そしてじっさいになんどもかみ、
あぶなっかしいコメントをはさむので、
なにかやらかしはしないかと、いつも心配しながらみることになる。
でも、ここ最近の急成長はすばらしく、
今シーズンがおわるころには有能な解説者にそだっていそうだ。
彼女の一生懸命さにひかれてサッカーをみるようになった
なんちゃってファンもおおいのではないか。
前任者の山岸舞彩さんみたいに、
わかるようになったころに交代してしまうのはもったいない。
サッカー人気をささえ、ひろげていく存在として、
これからも彼女の活躍に期待したい。