Jリーグ20周年を記念するアニバーサリーマッチ。
浦和レッズ対鹿島アントラーズの試合が
埼玉スタジアムでおこなわれた。
両チームのサポーターがつめかけ、
スタジアムは赤一色にそまる。
この試合を象徴したのが
原口元気のすばらしいゴールへの執念だ。
ディフェンダーからはげしいチェックをうけながら
ゴールちかくでボールをキープし、
さいごはヨレヨレになって
たおれながらも味方へのパスをとおす。
そのパスをうけた宇賀神がおしくもシュートをはずすと、
原口はピッチに大の字にたおれこみ、
両手でピッチをたたいてくやしがった。
くやしがるだけでなく、宇賀神におこっていた。
どうしても、なにがなんでも、
このひとはボールをゴールにいれたいのだ。
こんなプレーをみせられると、こっちまであつくなってくる。
このプレーに象徴される気迫を、
両チームの選手たちがみせてくれた。
攻守がめまぐるしくかわり、
どちらも決定的なチャンスをなんどもつくる。
かつこと、ゴールをきめることに、
どれだけこだわっているかが、
両チームの選手たちのはげしいプレーからつたわってくる。
記念の試合にふさわしい迫力のある内容となった。
番組は6時からはじまり、
Jリーグがはじまってからの20年をふりかえる。
ジーコがJリーグ20周年について
「サポーターのみなさんに感謝しています。
Jリーグの成功は、みなさんのちからがあってのものです」
とはなしていた。
どんなスポーツでも、ファンの存在が大切なのは当然とはいえ、
Jリーグにおけるサポーターは、
ほんとうの意味でリーグをささえている。
野球はただのファンだけど、
サッカーはサポーターというしかない存在なのだ。
Jリーグの関係者のおおくが(ジーコみたいなスーパースターまでも)、
このことに感謝しているのがすばらしい。
試合の解説は早野宏史さんで、
早野さんもJリーグが20年もの歴史をもてたことを
しみじみとよろこび、
選手・フロント・サポーターがいったいとなって
リーグをささえてきたことがほこらしそうだった。
ゲームではこの日に26歳の誕生日をむかえる
槙野選手に注目されている。
前半はあまり目だたなかった槙野選手が
後半になって攻撃に参加するようになると
「とうとう我慢できなくなってきましたか、槙野くんは」と、
「お祭り男」の槙野選手がみせる
闘志をむきだしにしたプレーがうれしそうだった。
こういうときの早野さんは、ことサッカーに関しては
ご自身もそうとうお祭り男なことがわかる。
試合は3-2と、レッズの逆転勝利でおわった。
ここ3試合で勝利がなかったレッズにとって
大切な勝点3だったし、
Jリーグの20周年記念という意味でも
すばらしい内容の試合だった。
Jリーグタイムでは、レッズから山田暢久選手、
アントラーズから中田浩二選手がゲストによばれていた。
山田暢久選手は20年をレッズとともにすごしている。
この2人にくわえ、小笠原・本山・曽ヶ端といったベテランが
チームとリーグの歴史をつくり、
それを原口元気や柴崎岳といった若手がひきついでいく。
このようにしてJリーグが20年の歴史をきずいてきたことを、
ミーハーファンでしかないわたしも感謝したい。
Jリーグ20周年をおいわいするシリーズは、
Jリーグのこれまでの歴史をふりかえり、
どんなひとたちがリーグをささえてきたか、わたしにおしえてくれた。
日本のサッカーがいまどんな場所にたっているかを確認し、
さらに将来につなげるという意味においてもすぐれた企画だった。