倉下忠憲さんがブログで
「なんども読んできた本たち」を紹介している。
その全部をわたしもよんでいたのですこしおどろいた。
いちどよんだだけと、くりかえしよんでいることの差はあるとしても、
倉下さんとの相性のよさを確認することになる。
おなじような読書体験をかさねながら
まったく生産性のないわたし、などと
いまさらいってもしょうがないことなので
読書傾向がにていることだけでもよろこぼう。
もっとも、そこにあげられた8冊のうち、4冊が村上春樹の本なので
ハルキファンにとっては全冊一致はそうむつかしいことではない。
そのほかにあげられていたのは
倉下さんとしては当然ともいえる
『知的生産の技術』(梅棹忠夫)で、
これはわたしもなんどもよんでいる。
『初秋』(ロバート=B=パーカー)をあげられているのは
ちょっと意外で、倉下さんはトレーニングもされるのだろうか。
倉下さんに便乗してわたしも
「なんども読んできた本たち」を紹介すると、
村上春樹の長編では『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
と『遠い太鼓』。
短編では『午後の最後の芝生』『ファイミリー・アフェア』
『納屋を焼く』がすきだ。
『納屋を焼く』では「僕」が7.2キロのコースをつくって
納屋がやけてないか毎日はしってチェックする場面がある。
31分とかなりのスピードで、
道路をそんなにはやくはしっていたらひとさわがせだし、
納屋もじゅうぶんしらべられないのではないか気になってくる。
『世界の終わり』では、おわりのほうで
イタリア料理店でのおしゃべりする場面と、
彼女の家で朝をむかえ、なにげなく朝ごはんをつくるところがすきだ。
梅棹忠夫さんでは『モゴール族探検記』『東南アジア紀行』。
倉下さんは、民族学者としての梅棹さんの著作には関心がないのだろうか。
なんども、はおおげさだけど『アンナ・カレーニナ』は3回よんだ。
レーヴェンとキティーとの恋愛、
レーヴェンが農業に目ざめるところがお気にいりだ。
本も映画もたくさんあるけれど、
すぐれた作品はそうおおくはない。
そのなかで、自分にあった本にであえ、
くりかえしよんでたのしめるのは
とてもしあわせだ。