きのう・おとといと、島根県行動援護従業者養成研修に参加する。
前年度が18名だったのにたいし、
今回は35名の方が受講されている。
わたしのうけもちは、2日目のアセスメントについてのコマで、
もう5回以上やっているのに
いまだにすっきりとつたえることができない。
自分の血肉となっていないことを、
資料をみてもっともらしくはなそうとするからうまくいかないのだ。
毎日の仕事で、切実な問題意識をもって
アセスメントをつみかさねているひとでなければ、
担当するべきではないことを、毎回かんじることとなる。
この研修は、行動援護サービスの質を
全国的にたかめるために企画されるものだ。
まず中央セミナーというかたちで、
全国からあつまった受講者が3日間の研修をうけ、
そこでうけた内容をそのまま県にもちかえって
県ごとの行動援護従業者養成研修で講師をつとめる。
はじめて中央セミナーに参加したときは、
全国的にはあたりまえになっている支援技術が、
自分たちのレベルとあまりにもちがうのにおどろいた。
吸収しなければならないことがおおく、ヘトヘトにつかれたけど、
とても充実した3日間だった。
研修をつうじて、参加者の一体感がだんだんたかまっていく。
最終日、さいごの講義をおえたときには
達成感とともに、これでわかれてしまうというさみしさをかんじた。
このたかい内容を、なんとか地元にもちかえってひろめたいという
つよい刺激をうける。もう5年前のはなしだ。
全国研修にはつきものの、夜の親睦会では、
自己紹介のときに、それぞれが自分のこだわりについて「告白」する、
というノルマがかせられた。
車を運転しているとき、まえの車のナンバーを記憶する、とか、
皮細工のにおいをかぐともうたまらない、とか(これは戸枝さん)、
さすがに行動援護にたずさわるひとのおおくは、
りっぱな当事者感覚のある方がおおかった。
わたしは「女性の肩甲骨がだいすきです」とはなしてしまい、
若干の共感をいただけたものの、
とくに女性からはかなりひかれてしまったことをおもいだす。
今回の研修でおもしろかったのは、
3日目の演習で、ピカチュウ人形のある
ショッピングセンターでのかいものにするか、
安全な文具店にするかをえらぶとき、
5グループ中4グループが文具店にしたことだ。
そのまえのロールプレイングで、
ピカ夫くん役のインストラクターが
かなりリアルにえんじたので、2回目の演習では
安全策をえらびたくなる心理がはたらいたようだ。
自分たちで役をつけてえんじたときには
すんなりピカ夫くんをやりすごせたのに、
「ほんもの」のピカ夫の「らしさ」に
とまどってしまったのがおかしかった。
行動援護は、行動障害をもつ方の地域生活をささえるきりふだとして
期待されたサービスだ。
全国で、そして島根県で、どういうふうにつかわれているかの
県の報告はなかったので、現状がつかめない。
まわりをみるかぎり、自閉症や、その障害特性を配慮した支援について、
理解がふかまっているとはいえないようにおもう。
行動援護サービスが本来的なつかわれ方をして、
地域生活をささえる有効な道具となることをねがっている。