コンフェデ杯決勝
スペイン対ブラジル
このカードでおもいだされるのは、代表チームではないけれど、
2011年クラブW杯でのバルセロナ対サントスの試合だ。
メッシとネイマールの対決が注目をあつめたものの、
バルセロナがつなぐこまかいパスはサントスをまったくよせつけず、
4-0と圧勝した。
コンフェデ杯はどうなるだろうか。
ブラジルは試合開始からはげしいプレスをかける。
まさかこの時間には、とおもっていた前半2分に
フレッジがつぶされながらもゴールにおしこんだ。
よこたわったまま右足をふりぬく。
なにがなんでも点をいれるんだ、というかたい意思がつたわってくるゴールだ。
前半終了間際にも、ネイマールが技ありのシュートをきめて2点目。
この大会で、ブラジルの得点はどれも効果的な時間帯にあげられている。
それを象徴するような決勝戦の得点シーンだ。
いくつもの「山」があったものの、
この試合を象徴するのは、なんといっても
ダビド=ルイスのありえないカバーリングだ。
もうぜったいにゴールにすいこまれていくにきまっているボールを
ダビド=ルイスはあきらめずに足にあて、
枠外にはじきだしてしまう。
おいついたところでオウンゴールになるコースだったのに、
ダビド=ルイスはボールめがけてすべりこみ、
奇跡的なプレーを成功させた。
ダビド=ルイスはグループリーグのメキシコ戦で
鼻地をだしながらつめものをしてプレーをつづけたり(あとで骨折と判明)、
ウルグアイ戦でのコーナーキックのときに、
マークする相手選手の服をひっぱってひきずりたおし、
イエローカードをもらったり
(フォルランのPKはジュリオ=セザールがとめた)と大活躍だ。
ぜんぜん危険をかえりみないプレーはかなりやばそうで、
「いっちゃってる感」がある。
スペイン戦でのカバーリングは
試合のながれがスペインへたむくのをふせぎ、
そのままブラジルペースで試合がすすむことになる。
スペインは、まえのイタリアとの試合で
延長戦をふくめた120分をたたかいぬき、
その中2日ということもあって
さすがにコンディションが万全ではない。
スペインだけでなく、今回のコンフェデ杯であきらかになったのは、
ひろいブラジルでコンディションをたもつむつかしさだ。
冬かとおもっていたのに、30℃をこえる日もあったし、
移動距離だって半端ではない。
スペインは、イタリア戦とおなじようにパスサッカーがふうじられて、
なかなか自分たちのリズムをつくれなかった。
決勝戦のこの試合は、
3-0と圧勝したブラジルをたたえるべきだろう。
ネイマールは実力をしめしたし、
チーム全体のたたかう姿勢もすばらしかった。
1年後のW杯にむけて、ブラジルは雑音を気にせずに
チームづくりに専念できる条件をえることができた。
反対に、日本はこれからすすむ方向性に疑問符がついたかたちだ。
でも、南アフリカ大会のときみたいに、また守備的になることはなさそうだ。
どんどんせめこんでいくのが日本のスタイルと、
ひろくみとめられる大会になることをねがっている。