男子東アジア杯日本対オーストラリア。
まえの中国戦から、スターティングメンバー全員がいれかわった。
キャプテンは高橋で、チームをまとめようとする気もちがつたわってくる。
森脇もいつもながらいいムードメーカぶりを発揮している。
本来のプレーだけでなく、雰囲気づくりという意味で
代表にえらばれるような気がする。
前半26分に、斉藤が得意のドリブルでゴール前をゆさぶり先制点。
斉藤の「エヒメッシ」らしいドリブルは、
みているものをひきつけるちからがある。
後半11分には豊田がチョンとボールをそらし、
大迫がそれをおちついてきめる。
オーストラリアはキューウェルやケイヒルといったベテランがぬけ、
威圧感がなくなった。
ただ、2点目をいれられてからはラフプレーが目だつようになる。
後半31分と33分に、日本はにたような形で左サイドからくずされ
あっという間に同点においつかれる。
その直後に大迫が2点目となるかちこし点をいれたからよかったものの、
あぶなく中国戦のにのまいになるところだった。
つづけざまの失点は、しかし前半からその予感があった。
あぶなげなくまもりきっていたわけではなく、
相手のミスやキーパー権田のファインセーブにすくわれていたにすぎない。
無失点だったのが不思議なくらいだ。
ザッケローニ監督はたまらずセンターバックの千葉をさげ、
かわりに栗原をいれる。
栗原も、中国戦での反省をいかすわけでもなく、
かんたんにボールを相手にわたしてしまう。
センターバックについてはこれまでのところ
効果的なアピールをはたした選手はいない。
3−2と、あいかわらずバタバタ試合だったけど、
斉藤と大迫が名前をうりだすことに成功した。
豊田もおしいヘディングシュートがあったので、
きめきりたかったところだろう。
攻守にわたってのハードワークは目をひいたし、
くさびのプレーも有効だったので、
もういちど出場のチャンスがほしい。
中国戦、そしてきょうのオーストラリア戦と、
若手中心の代表チームをみていると、
攻撃に関するかぎり魅力的な選手がたくさんいる。
以前からこの選手を代表に、
とおもっていた選手たちがじっさいにえらばれて、
まがりなりにもひとつの大会をたたかっているのだから、
この東アジア杯は、時期的にも位置づけ的にも、
大胆な実験のできるありがたい大会だった。
心配していたラフプレーも(これまでのところ)みられず、
あとはいちばんやりにくい韓国戦のみとなった。
あたらしく代表監督となったホン=ミョンボ氏は、
とにかく気迫でせまるひとだから、これまでの2戦とは
またちがった面がためされる試合になるだろう。
個人的には原口と豊田の活躍に期待している。