出雲市多伎町でおこなわれたスイムランに参加する。
スイムは田儀湾内の1周1.2キロのコース、
ランは多伎町内の山あいの道や、田んぼ脇の道路をはしる。
ショートの部がスイム1.2キロ・ラン10キロで、
ロングはそれぞれ2.4キロと21キロとなる。
全体で388名のエントリーだった。
会場にむかうとちゅう、多伎の方向に
真っ黒な雲がかかっていた。
ときどきワイパーを3段階目のスピードでうごかすほどの雨がふる。
むこうでは「経験したことのない大雨」
がふっているのではないかと心配した。
多伎湾につくと、さいわい雨はこぶりになる。
結果的にいって、35℃の猛暑のなかをはしるより、
今年はくもり空にすくわれたといえる。
それでもレースは毎回それぞれにくるしく、
今回もまたおよぎだしたときは、これからどうなるかとおもうほど
からだがうごかない。
ランのスタートもおなじで、
おそくしかはしれないのにしみじみとくるしい。
わたしがはしりだすころは、
もうショートの部の上位集団がゴールにかけこんでくる。
もうおわったひとがいるのに、
こっちはこれから21キロはしるのかとおもうと
いつもながらがっくりくる。
なんとかからだをだましだましはしりつづけるが、
あと5キロ、というところできゅうに足がおもくなった。
これがおわったらもうはしらなくていい、と
そればっかりを頭でこねくりまわし、なんとかゴールする。
正確なタイムはわからないが、
いつもとおなじようなパッとしない3時間15分程度だとおもう。
はしっているときは、2キロごとにおかれているエイドに
たくさんの小学生がボランティアでまちうけてくれ、
スポンジやのみものをわたしてくれる。
沿道でも家のまえにイスをだして、
町内の方がさかんに声援をおくってくれる。
選手はたいへんとはいえ、自分のやりたいことをしているわけで、
そんなわたしたちを、あついなか(今年は雨もふったのに)
ささえてくれる関係者の方やボランティアの方の協力が
ほんとうにありがたい。
ゴールしたあとは、「おもてなし」として
ソーメン・イカやき・サザエ・スイカなどが無料でふるまわれる。
いつもいつもさえないタイムしかだせないのに、
それでも毎年参加する気になるのは、
このレースのやわらかな雰囲気にひかれるからだ。
なんとか無事にはしりおえ、
今年いちばんの行事がおわったことにホッとする。
このレースをめざして何ヶ月もまえから細々と準備してきたし、
ガリガリ君をたべるのをひかえたりもした。
きょうですべて解禁ということで、
しばらく羽をのばしてくつろごうとおもう。
レースにむけて準備した12のこと、というわけで、
ことし特別にとりくんだことは
・まえの日にマッサージにいく
つぎの日にレースがある、といったせいか、
90分もかけてていねいにマッサージしてもらえた。
おされると、からだのあちこちがいたく、
そうとうつかれがたまっているのをかんじた。
・胸毛をそる
水の抵抗をへらすためではなく、
いま話題の「ツルスベ」を体験しようとおもった。
といってもすね毛までやるとたいへんなので、胸毛だけだ。
カミソリをあてること、そしてその結果あらわれる白い肌は
「へんなかんじ」としかいいようがない。
胸毛のないわたしの胸はじゅうぶんにうつくしく、
ときどき鏡でながめてはナルシスしている。
・朝ごはんに納豆いり卵かけごはんをたべる
とにかく炭水化物をたくさんとろうとおもった。
・バナナをたべる
ゼリー状の栄養補助食品はなんとなく抵抗があり、バナナにした。
レースまえの1週間は、食後のバナナをメニューにくわえた。
・前日のお酒をひかえる
ほんとうはのまないほうがいいけど、
それだとねむれないので、ジン・トニックを1杯だけにする。
・練習量は週40キロ程度
10キロの日が2回、週末に20キロを1回はしる、というもの。
ロングの部にでるのなら、もっとはしりこまないとだめなのに、
毎年この程度の練習でお茶をにごしている。
こんな練習量では、結果がどうのこうのいえるわけがない。
・水泳をはじめたのは5月下旬から
年間をつうじておよげばいいけど、
このごろは秋になるとプールへいかなくなる。
ひさしぶりにおよぐと、ながい距離がつづかなくなっていて、
1500メートルをおよげるようになるまでに1ヶ月ちかくかかってしまった。
しかもすごくおそい。
水泳を年間スケジュールにいれないと、
ますますみじめなタイムになりそうだ。
・アディダスのシューズをかう
いつもはたいていナイキだけど、
わたしの足にはアディダスのほうがしっくりくるような気がしてきた。
でも、かったシューズは足幅が2Eのもので、
わたしのデカ足にははばがせますぎた。
・ウェットスーツはきない
年1回のレースのためにスーツをかうまでもないだろうと、
ずっと水泳パンツだけでやっている。
参加者全体では8割くらいのひとがスーツをきている。
せっかく9まできたので、むりしてあと3つをかんがえる。
・LSDとのであいがよかったのか、わるかったのか
24歳のときに佐々木功さんがかかれた
『ゆっくり走ればはやくなる』にであう。
それからはゆっくりはしったり、
およいだりばかりの練習になってしまった。
きっと佐々木さんの本には、LSDでからだをつくっておいて、
そのうえにスピードをのっける、
という手順がかいてあったはずだ。
わたしは自分の都合のいいところばかりをとりいれて、
とにかくゆっくりばかりをつづけた。
その結果、どうにも回転のあがらないからだができあがった。
からだは、この程度のスピードでうごかせばいいということを
決定的につよくまなんでしまったようだ。
いまさらどうしようもないので、
けっきょくそのままゆっくりだけの練習をつづけている。
・(これは準備とはなんの関係もないけど)
スイムでは半分ちかく平泳ぎでおよぐ
わたしはむかし競泳で平泳ぎの選手だった。
クロールがへたくそ、ということと、
平泳ぎがいまでもわりにはやい、ということで、
レースでもついつい平泳ぎがおおくなる。
平泳ぎのキックでけられるひとにはひんしゅくだろうが、
胸のなかであやまりながら平泳ぎをつづけている。
・(これも準備とは全然関係ないけど)個人での参加である
レースには男女混合のグループでやってきて
おおきなテントをたてるチームがすくなくない。
わたしのひがみかもしれないが、
男性だけ、女性だけ、というよりも
仲のよさそうなチームメイトというかんじで
男女混合型がおおい。
わたしはいつもひとりで会場にでかけ、
むこうでしりあい(男性)と合流する。
そのひととおしゃべりをしつつ、
まわりのたのしそうなテントのようすが気になりがちだ。