2013年08月09日

おおくの男性が旅行についての似たような妄想をいだいていることについて

しりあいの治療院でマッサージをしてもらってるとき、
運動としての自転車のはなしになった。
このかたがつかっているのは、
ロードレーサーなどの競技タイプではなく、
おりたたみ式のミニサイクルだ。
できるだけ自転車で移動するようにしておられ、
それがそのひとの唯一の運動でもあった。
すこしまえに、それまでつかっていた自転車がこわれたので、
つぎにかう自転車として、もっとかるくて
電車やバスのなかにもってはいれるようなものをさがしているという。
そういうつかい方をして、気ままに旅行できたら、といわれた。
電車で移動し、いいかんじの町があれば自転車をくみたてて、
町のなかをみてまわる。
できれば火(ガスコンロ)があればたのしいし、
さらにいえばテントもつんだほうが自由さがます、と
だんだんはなしがエスカレートしてきた。
とうぜん寝袋ももっていく。
そうなったら立派な自転車キャンピングだし、
野宿ともいえる旅行スタイルだ。

そのひとは、それまでとくにアウトドアに関心があったわけではなく、
実現する可能性はうすそうだけど、
気ままな旅行を頭のなかで追求すると
そんなスタイルになるというのがおもしろいとおもった。
わたしも似たようなことをずっと頭においていじくりまわしている。
きっと、おおくの男性が漠然とではあれ、
こうした行為を夢にえがいているのだ。
そのあまりのワンパターンな発想がおかしかった。
男がえがいている夢は、あんがいだれもが似たようなものかもしれない。
そして、頭にえがいているだけでは
実現しそうにないのもなんとなく予想できる。

ミニコミ誌『野宿野郎』の編集者であり、
わたしがすきなかとうちあきさんのはなしをする。
わたしたちは夏は蚊がいてたいへんとか、
冬のさむさはかんべんしてほしいとかいって、
野宿の機会をぐずぐずとのがしているのとちがい、
かとうさんは週に1回は野宿をするというし、
野宿に関心のあるひとによびかけての
集団野宿もよく企画されている。
かとうさんは「いつかできるようになれば」なんていわずに
どんどん実行していくひとであり、
夏のあつさも、イライラさせられる蚊の襲来にもたじろかない。
そうやってないものは工夫し、しょうがないことは我慢して、
なんとかつぎの日の朝をむかえたときの充実感がたまらないのだそうだ。

わたしは旅行用の自転車ももっているし、
かさばらない寝袋とリュック、
それに長期旅行にそなえてキンドルペーパーホワイトまで手にいれた。
でも、かんじんなのは装備ではなく旅行をしたいというあつい気もちだ。
マッサージをうけて気もちよくなりながら、
わたしたちがえがいている旅行へのイメージが、
男に特徴的な妄想でしかないことをおもった。

posted by カルピス at 23:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする