朝日新聞に連載されている「プロメテウスの罠」に
福島第一原発ちかくのたちいり禁止区域で
イノシシなどの野生動物がふえているとつたえている。
ひとがはいらないので、無人の地域が
「野生の王国」となってしまい、
ふえたイノシシが耕作地へもあらわれるようになったのだそうだ。
ひとがはいりこまなくなると
たった2年でそんなにも動物たちの生態がかわるものなのか。
ひとのこわさをしらない動物は
ひとがちかよってもにげないので、
まるでサファリパークみたいだともかいてある。
人間さえいなければ、動物たちにとって地球は楽園なのだ。
まえに宮崎駿さんが
ひとつの山を1000年間たちいり禁止にして、
どんな森ができていくかをみてみたい、
というふうなことをかいておられた。
ひとが手をいれないと、森はさびれていく、と
よくいわれているけど、
そんな人間の都合にたった自然観ではなく、
もし1000年というながい期間
人間の影響を排除すれば、極相林となって
原始時代の自然がよみがえるのではないか、という期待からだ。
それをよんだときには木のことばかりかんがえていたけれど、
その森でくらす動物たちについてしりたくなった。
1000年ひとがはいらなければ、
その地域の動物たちはどんな生態系をとるのだろう。
「プロメテウスの罠」の記事をよんで、
放射能というおもいがけないかたちながら
まったく人間の影響をうけない環境が生まれたことをしった。
このたちいり禁止区域は、このさきどうなっていくのか。
人間がめちゃくちゃにした環境で、
たかい放射線をあびながら動植物は生きている。
こういうときには「けなげ」ということばしかおもいつかない。
放射線の影響がでないことをねがいながら、
人間がはいりこまなければ
どんな環境ができあがるかをしりたくなった。