すこしまえのブログに、大宮アルディージャの
ベルデニック前監督が交代させられたことをかいた。
今回はそのつづき。
きのうの川崎フロンターレ戦でアルディージャは1-2とまけ、
連敗が8にのびる。
クラブワースト記録だという。
次節が好調な横浜F・マリノス(現在首位)というくみあわせは、
アルディージャにとって不運としかいいようがない。
これまでにつみあげてきた勝ち点36がへることはないので、
例年おなじみの残留あらそいをもりあげることは
さすがになさそうだ。
しかし、いちど方向性をうしなったクラブが、
負のサイクルにおちいってなかなかたちなおれないのは、
これまでにもおおくの例がある。
8連敗中のチーム状況が、このさきどんな形で収束するかは
まだだれもわからない。
ベルデニック氏は、昨シーズンの6月にアルディージャの監督に就任し、
下位に低迷するチームを降格圏からすくい、
今シーズンにはいっても好調を維持して
J1の連続無敗記録を21までのばした。
そして首位にもたっていたチームをひっぱってきたこの監督を
クラブは解任したのだ。
8月24日づけの朝日新聞によると、
「7月中旬の連敗が始まる前に解任の方向性は固まった。
首位にいて表向きの解任理由を探しあぐねたところでの5連敗、4位転落」
というからおだやかではない。
首位にたちながら交代させられるというのは、
クラブ側はそれだけのリスクをおかしても
このままベルデニック体制をつづけるよりまし、
と判断したことになる。
残留あらそいの常連であったチームからすると、
まったくもってわるくない成績をおさめていたのに、
それよりも将来をみすえて、一体感のあるチームを
クラブ側はもとめたのだから、現実は複雑だ。
つよいチームをつくりながら
選手やコーチを掌握できなかった監督がわるいのか、
それなりの成績をあげた監督をおいだした選手たちがわるいのか。
たしかに信頼関係のない監督のもとで
ワードワークをする気にはならないだろう。
とはいえ、そういう監督をひっぱってきたのだから
いまの状況がおこるのは、わかりきったことだった、といえる。
アルディージャというクラブにとって、残留あらそいよりも、
一体感のないチーム状態のほうがもっと問題だったわけだ。
長期的なクラブのありかたをみすえたとき、
今シーズンをいい成績でおえるよりも、
いまのうちベルデニック体制をたちきったほうが
クラブのため、というのだから
ベルデニック前監督とクラブとの関係は地におちていた。
このままベルデニック監督にチームをまかせて
優勝あらそいにくわわるよりも、
完全に一体感をなくしてしまうまえに
監督交代はやむなし、という判断をしたのだ。
一体感が不可欠な条件ということは、
アルディージャだけでなく、おおくのクラブに共通するだろう。
かつことはもちろん大切だけど、
しかしかてばいいというものでもなかったわけだ。
アルディージャは成績よりもチームの和を重視したクラブとして
Jリーグの歴史に名をのこすかもしれない。
あるいは、チームの和こそJリーグがいちばん重視し、
日本サッカーの中核となる精神なのかもしれない。