KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)
をつかって、やっと本をつくった。
年末年始のやすみでやるつもりだったのに、
なかなかキンドルへのアップロードまでたどりつかなかった。
参考にしたのは、倉下忠憲さんの
『KDPではじめるセルフ・パブリッシング』(C&R研究所)だ。
倉下さんは、
「テキストファイルの下ごしらえをしてから
レビュー状態に持っていくまでにかかった時間は45分ほど」
とかいておられるが、わたしはアップするだけで半日以上かかっている。
「EPUB3:簡単電子書籍作成」のソフトをつかい、
テキストと表紙を送信するのだけど、
これがなかなかうけいれてもらえない。
エンコーディングに問題があるようで、
なんどやっても「小見出しをつけてください」がでるだけだ。
キンドルのページにうつっても、
カタカナとローマ字でふりがなを入力するのがうまくいかない。
もうすこしでくじけそうになったけど、
もうすこしだけ、といろいろためしてみたら、なんとかできた。
内容は、これまでブログにかいてきた、
むすことのかかわりについての記事を22本あつめたものだ。
本のタイトルは、記事のひとつからとって
「むすこの誕生日に『ライ麦』をわたす」にした。
あたらしくつけたしたのは、「はじめに」だけで、
あとは誤字脱字をさらっとチェックしたぐらいの
「なんちゃって」出版だ。値段は1ドル。
こんなものがうれるとはおもえないけど、
それでも自分で本をつくったという事実がとにかくうれしい。
完全に自己満足でしかないけれど、
とにかくこの「出版」ははじめての体験であり、
これによってえられるよろこびは、また格別なものがある。
わたしのためにキンドルがKDPをつくり、
倉下さんがつかい方の手ほどきをしてくれたような気がする。
ブログにかくのはすきでも、本をつくるなんて
かんがえたことのなかったものにとって、
KDPはまったくあたらしい方向性をうみだしてくれた。
今回はじめて本をつくったといっても、
倉下さんの本でいうと全体の3分の1ほどを消化しただけで、
76ページにある
「しかし、ちょっと待ってください。
この『本』ってうれるんでしょうか」
にあるように、ここからまたべつの段階がまっている。
ほんとうの問題はこれからなのだろう。
どう企画をたて、どううれる本にしたてていくか。
このままでは、本をつくったというだけでしかない。
それに、フェイスブックやツイッターをつかった「宣伝」が
わたしはにがてだ。
でもまあ、それはこれからさきのはなしで、
きょうはささやかなしあわせにひたろう。
これでわたしも「作家」のひとりになれたのだ。
今夜のお酒はかくべつな味にちがいない。
これまで倉下さんの本を何冊もよみながら、
実践がともなわない消費的な読書におわっていた。
うしろめたさのぬけないダメな読者だったけど、
今回の本だけは、じっさいに自分で本をつくってみないと
ぜんぜん意味がなかったのでひと安心だ。
倉下さんの本にたすけられ、なんとかぶじに
「出版」までこぎつけたことをよろこんでいる。