2014年04月05日

「健康診断の基準値がみなおしに」 いままでの数値はなんだったのだ

日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、
健康診断の基準値をゆるめると発表した。
国内で人間ドックをうけたひとの値をしらべたところ、
これまでの数値よりたかくても健康なことがわかったためで、
例年の4月からあたらしい基準値が運用になるそうだ。

たとえば、収縮期血圧は、これまで129以下を「異常なし」としていたのを、
これからは88〜147が基準値となる。 
肥満度をみる「BMI」も、これまでは男女とも25以下が「異常なし」だったのにたいし、
これからは男性が18.5〜27.7、女性は16.8〜26.1の範囲におさまれば「健康」だ。

これまできびしすぎた数値が、実態にあわせてゆるめられるわけで、
よいみなおしだとおもうけれど、
それでは、いままでの数値はいったいなんだったのだ、ともおもう。
コレステロールの値に一喜一憂しているひともいるだろうに、
男性ではこれまで60〜119だった値が、こらからは72〜178というから
ずいぶんゆるやかになる。
血圧やコレステロールの値をさげるために薬をだされているひともおおいけれど、
これからはそれもみなおされるのだろうか。
基準値の緩和というより、これまでめちゃくちゃだったことがはっきりし、
数値はそれぞれが自分で把握するもの、という、
基準の崩壊といえる。基準値なんてないのだ。

くりかえすけど、いまは血圧が130だとすこしたかめです、といわれているのが、
これからは147でも大丈夫なのだ。すごいことではないだろうか。
それでも「健康」なら、これまでの基準はいったいなんだったのだ。
「基準値」というのが、どれだけあやふやなものなのかがよくわかる。
医療にお金をつかいたくない国が、健康の基準をさげたのかとおもったけど、
製薬会社と医療機関の関係など、ほかにもいろんなうら事情をかんぐりたくなってくる。
なぜいまになってこれだけの数値のみなおしがされるのか、
この変更がただしいのなら、いままでの数値はなんだったのかと、
わたしはすごくおどろいてしまった。

わたしは血圧やコレステロールをさげる薬はのんでないけれど、
いろんな数値のあがりさがりは気になるし、
医者に薬を処方されたらその気になるかもしれない。
しめされる値が基準値だとおもうからで、
それがたいして根拠がないものだったというのは
もっとおおさわぎされてもおかしくない「事件」ではないだろうか。

健康や栄養については、具体的な数字がしめされることがおおく、
その数値が絶対的なものになりやすい。
たんぱく質をいちにちに何グラム以上とりましょう、とか
食塩は10グラム以下におさえて、とかは
いま、そういうことになっている、というだけのはなしで、
なんねんかさきに、「これからはこっちが最新の情報です」といくらでもなりえる。
これまでの数値がまちがっていても、
だれも責任をとってくれないのだから、
病院のいうことをうのみにせずに、
自分で判断していくしかない。
だって、130でたかいといわれていた血圧が、
147でも大丈夫になったのだ。
そしてこんどの変更がただしいという保証はない。
基準値にふりまわされてはならないことがよくわかった。

posted by カルピス at 13:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする