きのうは清志郎の5回目の命日。
「ラストデイズ『忌野清志郎×太田光』」をテレビでみる。
『COVERS』から社会問題についてうたうようになった
清志郎の内面にせまろうとする番組だ。
番組では、ロンドンでのレコーディングがきっかけとなり、
清志郎は自分のおもったことをうたっていいと気づいたのだという。
なにをいってもいいんだ、ガツンとやらないとダメなんだ、
いわなければならないことは、まわりに遠慮しない。
すきなものを、すきだということ。
『COVERS』は発売直前になって東芝EMIがとりやめをきめ、
別のレコード会社から発売されている。
清志郎は、自分がおもったことを、おもったようにうたうことにこだわりつづけた。
番組では泉谷しげる氏へのインタビューもおこなっている。
泉谷氏は、社会問題をうたってもいいけど、おちょくってほしい、
ストレートにうたうのには抵抗があった、という。
わたしもおなじ感想をもっていた。
『君が僕を知ってる』や『スローバラード』のような
ラブソングがわたしはすきで、
『COVERS』以降の清志郎のうたをあまり評価していなかった。
わたしは清志郎がすきといいながら、
清志郎のある一面ばかりをみていたのではないか。
『COVERS』は当時からおもしろいとおもっていた。
ただ、それはリズムがいいとか、
かえうたが「おもしろい」といった程度のはなしで、
うたわれている内容についてはほとんど関心がなかった
(「サマータイムブルース」により、原発の数が37個ということをしったくらい)。
これまで清志郎の命日には、日比谷野音でおこなわれた
清志郎とチャボのコンサートDVDをみていた。
それがわたしなりの供養だったけど、
清志郎が表現したかったテーマをうけとめるには、
むかしの曲ばかりきいていたのでは片手おちだろう。
きょうはレコード店で『COVERS』と『復活!!タイマーズ』をかってきた。
「21世紀になったら世界はかわるかとおもったてたのに、
あいかわらず戦争ばかりやってるじゃないか」
清志郎は「イマジン」をただうっとりうたっていたのではない。
清志郎は、本気で世界に平和がおとずれる夢をみていた。
清志郎がなくなってから、ますますいやな方向にむかっている日本。
清志郎のうたに、いまこそ、もういちど耳をかたむけるときではないか。
あおくさくてもいい。自分がおもっていることをいいつづけよう。
自分が大切にしているものをゆずらないでいよう。
(補足)
清志郎はいろんな面をもっている。
ダイドーブレンドコーヒーのCMにおける清志郎もわたしはすきだ。
海辺で清志郎がギターをかかえてうたっている。
そこへわかくて聡明そうな女性が海のほうからかけよってきて、
清志郎のそばにすわる
「おじょうずですね」
「CDも、だしてるんですよ」
はずかしそうにこたえる清志郎。
このシャイさもまた清志郎のおおきな魅力だ。