2014年05月04日

山から木をきりだしてマキづくり 農的生活へのその1

むすこをさそって配偶者の実家のある掛谷へ。
義父に、マキのつくり方をならおうとしての訪問だ。
余談ながら、掛谷は「鷹の爪」の吉田くんのふるさとである
吉田町のとなりにある町だ。

配偶者の実家は山をかなりもっているそうで、
そこからお風呂のたきつけのマキをまかなうことができる。
むかしは暖房や調理など、すべてにマキが必要だったのだから、
そうやって山から木をきりだしてマキにする仕事は、
生活のなかにくみこまれていたそうだ。
しかし、義父もだんだん歳をとり、まえほど山にはいらなくなっている。
いまのうちにそういう知恵・技術を
ひきついでいこうとおもった。

義父・むすこ・わたしと、3人で家のちかくの山にはいる。
山といっても、道路からほんのちょっとはいっただけだ。
そうでないと、きりだした丸太を家にもってかえれないから。

たおれている杉の木を60センチのながさにチェーンソーできる。
とかくとかんたんそうだけど、チェーンソーはあぶない道具だし、
山は足場がわるく、たしかな場所ばかりではないので、
チェーンソーをもってころんだりしたらたいへんだ。
義父はチェーンソーのエンジンをかけ、ちゃんとうごくことをたしかめると、
「ほいっ!」とわたしにチェーンソーをわたしてきた。
てっきり義父がきってくれるとおもっていたので
「えーっ!」とたじろいだけど、むすこのてまえ、やってみることにした。
わたしはまえにチェーンソーをつかった経験が多少あり、
どれだけあぶなくて むつかしいかをしっている。
ふとい木にチェーンソーできりこむと、とちゅうでぬけなくなるし、
もしからだにチェーンソーの歯があたったりしたらおおケガをする。
きりおとした丸太が足のうえにおちてもあぶない。
ビビりながらアクセルをふかして杉の木にむかった。

ひさしぶりでも からだはなんとかおぼえているもので、
4本の丸太をきりだした。
きょうはそれだけでおいとこう、と義父はいう。
たった4本か、とものたりない気がしたけど、
それを家までもってかえり、マキにすることをかんがえると、
たしかに4本でもじゅうぶんな数だ。
140503山仕事.jpg
ネコ車にのせて家まで丸太をはこぶ。
なにごとも経験なのでむすこにやらせた。
はかってみると、直径40、ながさ60センチの丸太だ。
ひとつだけをはこぶのはかんたんだったけど、
2回目はのこりの3つをぜんぶネコ車にのせたので、
ふたりがかりで ふらつきながらやっと家へもってかえる。

丸太をマキにするには、
まずクサビをうちこんで半分にわり、
それからオノでこまかくしていくというながれだ。
オノを木にうちおろしても、ドラマみたいに
パコーンとわれたりはしない。
うまくあたらないし、あたってもわれない。
わたしとむすこで、交代しながら3つの丸太をマキにする。

ひとつの丸太から、25本のマキがとれた。
風呂だけでなく、暖房や料理用のストーブまでを全部マキでまかなおうとしたら、
いちにちに30〜50本くらい必要だろう。
冬ごもりの準備にマキをたくわえるのは たいへんな作業だ。
きょうつくったマキは、2時間半かけて75本だった。
冬だったら、1日か2日でなくなる量かもしれない。

倉庫のマキが着実にふえていくのは手ごたえがある。
農的生活をおくるという夢にむけての、ちいさな一歩でもあった。
米や野菜をつくったり、貯蔵の方法を身につけることも必要だけど、
きょうみたいに山にはいってじかにおしえてもらえるのは
なかなかできない体験だ。
あたまとからだを適度につかい、充実感にひたる。

posted by カルピス at 20:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 農的生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする