2014年06月05日

『プロフェッショナル仕事の流儀』の本田選手が率直にはなしたこと

『NHKプロフェッショナル仕事の流儀』で本田圭佑選手をとりあげていた。
ビッグマウスといわれ、強気な言動にあまりいい印象をもっていなかったけど、
番組での本田選手は よくかんがえながら、
誠実に自分のかんがえをはなしている。
できそうもないことをいって自分をおいこみ、
そのプレッシャーから不可能を可能にするだけのひとではない。
「どこにとまってるんですか?」
「おつかれさまです」
と、撮影スタッフへの気づかいも好感がもてる。

ACミランへ移籍したときのコメントでは、
率直に状況のむつかしさをはなしていた。

「すごくきびいしいミッション(名門再建という)
をつきつけられているなーと」
「がっかりさせるしかないですね。
がっかりさせることはわかっているから」
「期待されてるわけですから、
ああその程度かと、その可能性はたかいですね、
ぼくのクオリティはまだそのレベルだから」
「ミッション・インポッシブルでしょ」

自信満々なわけではなく、自分にはたりないところがたくさんあることをみとめ、
それらから目をそらさずに、反対に長所とするよう練習にとりくむ。
非常にストイックで、サッカーのことしかかんがえていない。
サッカーのためにわるいことはしない。
それをずっとつづけられるのが本田選手のすごさだ。

ミランではじめての得点をきめ、チームにもなじんだころ、
「ミッション・インポッシブルが、
ポッシブルになってきましたか?」
と番組スタッフにたずねられる。

「さきはながいですからね。
ひとつひとつ課題をクリアしていって、
わるいところは改善していくしかない」
「いちばん大事なのは、ミスすることをおそれないことでしょうね。
若手みたいなミスをするようなチャレンジできる姿勢をもつことが、
成長するポイントじゃないかと」

これまで番組がとりあげてきたほかの「プロフェッショナル」たちより、
本田選手の発言はまとまりがあり、わかりやすい。
一言ひとことをしっかりかんがえ、ウソをいってないのがわかる。
責任感がつたわってくる。
謙虚で、ふつうにおそれをしっている常識人だ。
メディアがつたえてきた本田選手とずいぶん印象がちがうので
いっぺんに好感をもってしまった。

あるサッカー雑誌にのっていた写真がよかった。
チームメイトと本田選手がふたりではなしながら
(たぶん)ハーフタイムのときにベンチへひきあげている。
試合中の戦術についてふりかえっているのだろう。
相手は本田選手のいうことを理解しようと集中し、
本田選手も相手に自分のかんがえがちゃんとつたわるよう
真剣にはなしている。
相手が必死になって 本田選手の指示をうけとろうとしているのがわかる写真だった。
完全に本田選手の立場がうえになっている。
日本人選手が外国でプレーするようになったといっても、
これだけ相手をのみこんでしまう迫力はほかの選手にはない。
Jリーグにいるたくさんの外国人選手にたいしても、
これだけきき耳をたてさせる日本人選手がいるだろうか。

サッカーにわるいことはしない本田選手は、
きっと酒ものまないだろうと、
わたしもみならって、ゆうべはひさしぶりに酒なしでベッドにはいった。
すごい影響力だ。

Wカップ本大会が目前にせまり、
本田選手の不調がつたえられている。
プレーにキレがなく、ゴールまえでもチャンスをきめきれない。
本田選手がこれまでにかたむけてきた努力を
ほんのすこしでもしると、
なんとかベストコンディションで大会をむかえてほしいとおもう。
そんなことはわかりきったことなので、
本田選手ならなんとかしてくれるはずだ。
おわりよければすべてよし、の大会となることをねがっている。
きっとそうなる。

posted by カルピス at 13:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする