http://portal.nifty.com/kiji/140610164336_1.htm
作者のエンドケイプ氏は、
「似た単語というのは、元々見た目や性質が似ているから生まれる訳だ」
としてゾウとゾウアザラシ、ワニとワニガメを例にあげる。
これを「似た単語」というかどうかはともかくとして、
エンドケイプ氏はつぎにガンダムにでてきた「グフ」をかつぎだす。
「『グ』と『フ』の2文字から成る言葉は元々フグが牛耳っていたはずだ」
「このままだと似た単語は似た属性説が崩れてしまう」
そんな、ほとんどいいがかりともいえるきめつけから
エンドケイプ氏は、グフをフグにしようというのだ。
いったいなにをはじめるのかというと、
エンドケイプ氏は、市販のグフのプラモデルでフグをつくるのだという。
わたしは、ほんとうにおどろいてしまった。
あまりにも一般的ではない疑問、というよりも特殊な仮説から、
モビルスーツのグフからフグ(にみえるなにか)をくみたてようという、
その熱意はどこからくるのか。
人間は、これだけ「意味」からはなれることができるのか。
そしてエンドケイプ氏は、みごとにこのミッション・インポッシブルをやりとげるのだ。
エンドケイプ氏は
「改造も何でもアリならば、どんなプラモだってフグに出来るに違いない。
だから明確にルールを決めることにした」
このしばりとたかいこころざしが、
グフのフグをすばらしい作品へとみちびくことになる。
・削らない…余計なでっぱりがあるからと削ったりしない
・切らない…パーツが長いからと切断しない
・パテらない…穴を埋めたいからとパテで成形しない
・他パーツ使わない…欲しい形がないからと他の部品を使わない
・グフのパーツを使い切る…入っている全てのパーツを使用する
それでできあがったフグが、めちゃくちゃな形だったら
ただ熱意だけのひとなわけだけど、
どうみてもフグにしかみえないグフができあがったのだから
この無謀というべきありえない企画は必然だったのだろう。

グフのもつムチ(ヒートロッドというのだそうだ)が
最後にはおもわぬ形でいかされたのをみると、
グフとフグの運命的なさだめをみとめないわけにいかない。
最後にエンドケイプ氏はランバ=ラルがアムロにいったセリフを引用している。
「自分の力で勝ったのではないぞ、
そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな」
みおとしそうなところに
「グフのスペルはGOUFである」
という指摘もある。
なんて含蓄にあふれた企画なのだろう。
エンドケイプ氏のゆたかな発想は、自由とはなにかを
わたしにかんがえさせずにおれなかった。
不可能を可能にしたエンドケイプ氏のたぐいまれな技術に
あつい拍手をおくる。
この記事をよんでいるときのわたしはしあわせだった。