本屋さんをぶらついていたら、スポーツ誌の棚に
『フットボール批評』という雑誌がおいてあった。
わたしはいつも『サッカー批評』という雑誌をよんでおり、
名前がにているので気になってひらいてみると、
『サッカー批評』でおなじみのライターが記事をかいている。
ためしにかってみた。
よんでみてわかったのは、これは実質的に『サッカー批評』であり、
なにかの事情があって名前がかわったのだ。
ウィキペディアをみると、おおよそのことがわかってきた。
「『フットボール批評』(フットボールひひょう)は、株式会社カンゼンが発行するサッカー誌である。
2004年から2014年7月まで『サッカー批評』(双葉社発行)を制作していた同社編集部が制作する。『サッカー批評』は2014年7月発売号(issue69)をもってリニューアルをすることになり、双葉社はそれまでカンゼンに外注していた制作を自社で行うことになった[1]。それに伴いカンゼンは自社で発行している『フットボールサミット』とは別に『フットボール批評』を刊行することにした」(ウィキペディアより)
『フットボール批評』をよむと、まるでこれまでの『サッカー批評』だ
(いちばんうしろにあった連載「僕らはへなちょこフーリガン」がないけど)。
記事の担当者をみると、『フットボール批評』にはおなじみのライターがのこり、
連載されていた記事が全部ではないにしても つづけられている。
実質的に、『フットボール批評』は『サッカー批評』をひきついだものといえる。
いっぽう『サッカー批評』は、これまでは双葉社が「カンゼン」に委託していたのを、
これからは双葉社が自社でやる、ということらしい。
おそらく雑誌の方針をめぐって両者のおりあいがつかなかったのだろう。
「カンゼン」としてはこれまでのようなコンセプトで雑誌づくりをつづけたいので、
あたらしく『フットボール批評』という雑誌をつくったのだ。
これまでも、サッカーの人気のあがりさがりにより、
廃刊においこまれたサッカー雑誌はたくさんあるそうだけど、
今回はうりあげがおちたからリニューアルというわけではない。
これからどんなうごきが紙面にあらわれるのかを注目したい。
しばらくして、アマゾンからおくられてくるメルマガに
おすすめ商品として『サッカー批評』が紹介されてきた。
名前をひきついでるだけに、号数は70と、
これまでの継続であることをあらわしている。
内容をみると、セルジオ越後氏や杉山茂樹氏が記事をかいていて、
どうもわたしのこのみとはちがう紙面になっているようだ。
サッカーはすきだけど、サッカーの情報ならなんでもいいわけではない。
これまでも『Number』系のものはとおざけてきた。
『サッカー批評』も、本屋さんでたちよみはしても、
おそらくわたしがをかうことはないだろう。
けさの朝日新聞に、『週刊金曜日』の編集長として
平井康嗣氏がとりあげられていた。
『週刊金曜日』が1000号にたっしたということで、
これからの抱負が紹介されている。
1000号というと、20年ちかくも毎週金曜日に発行したわけだから、
それだけつづいたのは とてもおめでたいことなのだろう。
発行部数は「当初の5万部から半減」したのだそうだ。
創刊当時、わたしはこの雑誌の定期購入をもうしこみ、
何年かよんだことがある。
本多勝一さんや筑紫哲也さんなど、信頼できそうなひとがかかわっていたし、
広告にたよらないでかきたいことをかく、という方針にひかれたのだ。
しかし、いかに硬派な内容がいいからといって、
おもしろくなければよみづらく、
わりとはやい段階で定期購入をうちきった。
そのあとも、ときどき図書館でひらいてみるけど、
興味をひく記事がほとんどない。
雑誌はいくらりっぱなコンセプトをとなえても、
けっきょくおもしろくなければよまない。
創刊された『フットボール批評』にしても、
読者はスタッフや記者を信頼してかうとはいえ、
おもしろい記事がなければいつまでもついていきはしない。
たのしみにしていた雑誌なので、「創刊」後も順調に発行されるようねがっている。
いっぽうの、『サッカー批評』はどうだろうか。
おおくの読者をあつめるかどうか、
日本のサッカー文化の成熟度をしるうえでも興味がある。