2014年09月28日

「アジアマスターズ陸上」での泥谷さんの活躍

先日の朝日新聞が、24日におこなわれた
「アジアマスターズ陸上選手権」をとりあげていた。
80〜84歳クラスの男子400メートルリレーでは、
中国に1分以上の差をつけて日本チームが優勝したそうだ。
アンカーをつとめた泥谷久光さん(83歳)が
バトンをうけとる場面が新聞にのっており、
血管がうきでた上半身をみると、どれだけきたえられたからだなのかが うかがえる。
年齢がのっていなければ、だれも83歳とはおもわないだろう。
「何歳にみえます?」とにっこりほほえむ中高年女性の写真とちがい、
泥谷さんのほうは 長年にわたるトレーニングの成果だ。

泥谷さんは73歳で胃がんの全摘手術をうけたのにもかかわらず、
78歳で200メートルの日本記録を更新されている。
そして81歳で200メートルと400メートルで世界記録を樹立。
つぎの目標は100メートルでの世界記録なのだという。
「一つ一つの積み重ねが大事。
仕事や生き方とどうつなげられるか、
試行錯誤の連続です」
なんだそうだ。
83歳で、こんなにたかい意識をもっておられるとは。
わかいひとには想像しにくいかもしれないが、
40歳をこえたら、100メートルを全力でなんて ふつうはしれない。
あたまではすごい回転で足をうごかしているのに、
じっさいはその半分以下しか回転があがらない。
ましてや、200メートルや400メートルを全力でなんて、
よほど全身の筋肉、それに心肺機能に自信があるのだろう。
わたしは定期的にはしったり およいだりしているけど、
ゆっくりはしればいい長距離と、全力での短距離は またべつのはなしだ。
たんねんにウォーミングアップをしないと、冗談でなく死につながる。

ジムでよくいっしょになる74歳の男性は、
いつも2時間くらい筋トレにはげんでおられる。
そしてさいごにトレッドミルでのランニング。
ときどきマシンでとなりあってはしると、
ラストスパートで時速16キロぐらいにスピードをあげられるので、
わたしはとてもついていけない。
わたしより20歳もとしうえなのに、そんなはしりができるひとをみていると、
83歳の泥谷さんが いまでもりっぱなからだを維持され、
日本新や世界新をねらっておられるのが
現実のはなしだと理解できる。
理解できるけど、ふつうではありえない すごいはなしなのだ。
ながく生きていたら そのうちころがりこんでくる記録ではない。
それだけの年齢になっても、まだ練習にむかい、
ひとつひとつ課題をクリアーしてきたつみかさねが 実をむすんでのことだ。

わたしのトレーニングは、記録をめざしてというよりも、
だんだんと体調の維持が目的となってきた。
わたしが週に2回の水泳をやめたからといって、
世界のなにがかわるわけではないけれど、
わたしの老後にかかわってくるのだ。
泥谷さんのいわれる「一つ一つの積み重ねが大事」を
わたしも自分のこととして大切にしている。
健康に一発逆転はなく、「一つ一つの積み重ね」が
老人になったときの体調に直結してくるとかんがえたほうがいい。
これはもう、中年になったものにしかわからない危機感だろう。
会社をやめたときに、まだまだからだがうごくのか、それとも
だれかのお世話にならないと くらしていけないのでは ぜんぜんちがう。
わたしは世界記録や日本記録はめざさないけれど、
自分のからだがおもいどおりにうごく気もちのよさを ずっとあじわいたい。
自分のちからであるいたり自転車にのったり、ときには はしったり、
いろんな快感があるなかで、自分のからだをおもいどおりあやつれるよろこびは、
なにごとにもかえがたい。
いざとなったら病院に、ではなく、
できるだけ自分のからだは自分でまもりたいとおもう。
そのつみかさねが泥谷さんの場合 日本記録なのであり、
わたしにとっては のんきで平和な日常生活なのだ。

posted by カルピス at 21:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする