2014年10月10日

林真理子さんの新聞連載小説『マイストーリー』に、なぜか早稲田の探検部がでてきた

朝日新聞に連載されている林真理子さんの小説『マイストーリー』に、
ゴーストライターの「鈴木」さんができきた。
「何人もの作家を輩出した、早稲田の探検部という経歴である」となっている。
ほかの会社名などはぼかしてあるのに、
なんでいきなり早稲田の探検部なのか。
林さんとどんな接点があるのだろう。

この小説は、自費出版を専門にする会社と、
そこをとおして本をつくろうとするひと、
また、自費出版という事業の現状など、
個人が本をだそうとするときに なにをねがい、
どんなやり方があるかがとりあげられている。
一生にいちどのことだから、お金をかけてでも
いい本がつくりたいというひとや、
うれもしない本をたくさん印刷され、
お金のむだづかいだと、おもしろくない家族もでてくる。
本をだしたいひとたちの熱意とはまたべつに、
自費出版がどれだけ流通にのりにくいかという、
いまの出版状況も紹介されていて、
新聞小説についていけないことがおおいわたしも、
これまでのところ興味ぶかくよんでいる。

いまは「KDP」など、アマゾンでうれる電子書籍を
個人でもつくれる時代でありながら、
そして、紙の本はこれからすたれるといわれながらも、
紙でつくった自分の「本」を出版したいというおもいは、
年齢にかぎらず根づよいのかもしれない。

ゴーストライターの「鈴木さん」は、
そうした自費出版をしたいとねがいながら、
なかなか自分では文章をかけないひとのために、
かわりとなって本をかく専門のライターのことだ。
依頼人のはなしをよくきき、本人が満足するような文章をかく必要があるために、
当然ながらだれでもできる仕事ではなく、
この小説では文学賞の候補にあがる程度の実力のあるひとばかり、
ということになっている。

そのゴーストライターに、いきなり早稲田の探検部がでてきたのにおどろいた。
べつにわたしがわたしが早稲田の探検部出身というわけではないけれど、
だいすきな高野秀行さんがここのOBであるし、
そもそも探検部とサークルじたいに、したしみというか 関心をもっている。
わかいころに影響をうけた本多勝一さんが、
日本ではじめての探検部を京都大学につくっており、
梅棹忠夫さんはそこの顧問だった。
その後、ほかの大学にも探検部がつくられてゆき、
日本社会としてはユニークな人材をうみだすサークルとしてしられている。
林真理子さんが、早稲田の探検部に目をつけたねらいはなんなのだろう。

「本名高木さんは本を二冊出しています。
一冊は確か、アマゾンの奥地のオペラハウスを見に行くというノンフィクション」
とあるので、高野さんか、とおもったけど、
「彼は文章がうまいうえに、どんなジャンルもこなせるんですよ。
さっきのタレント本の他に、ビジネス本も書けます」
とつづけられているので、おそらくちがうひとがモデルだ。
いくら高野さんでも、さすがにビジネス本はかかないだろう。

きょうのはなしでは、ライターを依頼する女性が
「出来るだけ、”鈴木さん”をお願いします。
話を聞いたらなんだかとっても気になるんです」
と、これからも ものがたりにからんできそうで たのしみにしている。

ということを、エバーノートにかいていたら、
「関連するノート」に高野さんの記事がいくつかあげられていた。
よみかえしてみると、探検部のOBたちが
どんなかわったひとたちだったかがおもいおこされる。
ある先輩は・・・、と紹介しようとして、きりがないのでやめた。
きりがないくらいめちゃくちゃなひとがおおく、
ふたたび、なぜ林真理子さんが探検部の名前をだしてきたのかが気になってくる。
これからの展開をたのしみにしたい。

posted by カルピス at 17:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする