web本の雑誌に、松井ゆかりさんが
「おもしろい小説を書く作家のエッセイがおもしろいとは限らないが、
おもしろいエッセイを書く作家の小説はほぼ例外なくおもしろい」
http://www.webdoku.jp/newshz/matsui/2014/10/22/121815.html
とかいている。
ほんとうだろうか。なんにんかの作家についてかんがえてみる。
まず「おもしろい小説を書く作家のエッセイがおもしろいとは限らない」について。
失礼だけど、吉本ばななさんがおもいうかんだ。
小説ではあんなにすてきな世界をつくるのに、
エッセイになるとやたらにくどくなり、「からまわり」をかんじる。
マンガ家では柴門ふみさん。マンガではリベラルそうなのに、
エッセイになると、とたんに保守的な面が顔をだす。
パッとおもいついたのはこのおふたりくらいだ。
こうした候補をスラスラあげるには、わたしの読書は貧弱するぎる。
「おもしろいエッセイを書く作家の小説はほぼ例外なくおもしろい」
のほうは、たしかにいくらでも名前をおもいつく。
いちいち名前をあげるまでもないほど、
すきな作家はみんな、エッセイも小説もおもしろい。
かんがえてみれば、これはあたりまえだ。
もうひとつ想定されるのは
「エッセイはおもしろいのに、小説はいまひとつ」という作家だ。
ひとりおもいついたけど、そのひとがかくのはエッセイではなくノンフィクションなので、
これには該当しないということにする。
「エッセイはおもしろいのに、小説はいまひとつ」なんて、
だれだっていわれたくないだろうから、候補者がいなくてさいわいだった。
ある作家とのであいがエッセイだった場合、
そのままエッセイばかりをよみあさり、
小説については「くわずぎらい」になってしまうことがある。
わたしの場合、椎名誠さんがそれで、
椎名さんの小説をよんだのは、ずいぶんあとになってからだ。
さいわいエッセイにおとらず、小説もおもしろかった。
こういうのは「小説もおもしろいのに、エッセイばかりよんでしまう」という、
あんがいありがちなケースかもしれない。
さいごにのこるのは
「エッセイも小説もおもしろくない」作家だ。
そんなひと、いるのだろうか、とかきかけて、
これこそおおくの候補をかかえる宝庫かも、という気がしてきた。
もちろん、わたしのこのみでは、というはなしだけど。