2014年11月06日

「脳卒中をどうふせぐか」高血圧や高コレステロールでも心配ないという本におどろく

本屋さんをぶらついていたら、
「血圧がたかくても、ほっておいて大丈夫」
「健康診断をうける必要はない」
みたいなタイトルの本がいくつもならんでいる。
たちよみしてみると
「血中脂質がたかい方が脳卒中はおきにくい」
「コレステロールはたかくても問題ない」
「血圧のために塩分をひかえなくてもいい」
など、一般にいわれているのとずいぶんちがうことがかかれているので おどろいてしまった。

この手の本は、ことしの4月に
日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が、
健康診断の基準値をゆるめると発表してから
おおくなったようにおもう。
たとえば血圧は、それまで129以下でないと「たかい」といわれていたのが、
この発表では147までが基準値というのだから
ずいぶんゆるくなった。

よくかんがえてみれば、
基準のみなおしを数字ではなくことばであらわすと、
本がいっているような内容になるのだから、
おどろくほうがどうかしている。
これまでの基準がおかしかったのだ。

脳卒中といえば、ふつうは高血圧や高脂血症が指摘され、
たかければそれをさげるために薬が処方される。
それなのに、危険因子といわれているそれらが関係ないばかりか、
薬をのむことで、かえって発症をまねいているといわれれば、
治療をうけているひとや、
予防に気をつけようとおもっているひとは、まよってしまうのではないか。
ガンのおそろしさとはまたちがい、
高卒中はいっぺんに命をうしなったり、
死なないまでも、からだにマヒがのこったりするので、
だれにとってもおそろしい病気・症状だ。
血圧に気をつけているひと、
コレステロール値をさげようとしているひとはおおいだろうし、
医者のいうままに薬をのんだり塩分をひかえたりというはなしもよくきく。

もしわたしが脳卒中をおこし、これからの生活に気をつけなければならないとしたら、
いったい本にかいてあることと、医者のいうことの
どちらをしんじたらいいのか まよってしまうだろう。
まよいながらも我慢はしたくないから
それまでにたべていたものをたべつづけるかもしれないし、
マヒがのこるのをおそれ、いわれることをできるだけまもるかもしれない。
からだにわるいかもしれないとおもいつつ、ほしいものをたべていても
おちつかない精神状態だろうし、
いわれたことをきっちりまもろうとするのも つよいストレスになりそうだ。

ある本には、外国では健康診断のときに、血圧やコレステロールをしらべもしない、とかいてある。
しらべても、その値からはなにもわからないので、無駄だからだという。
それがほんとうだとすると、なぜ日本だけはたくさんの薬が処方され、
いまもなお血圧やコレステロールが問題視されたままなのか。
脳卒中をおこしたひとの予後は、
血中脂質がたかくても、治療をうけなかったひとのほうがかえっていい、
という本もあった。
肉のたべすぎや、あぶらっこいものをこのむ食生活のみなおしという、
よくきく注意事項はいったいなんなのだ。

ひとむかしまえに脳卒中でなくなるひとがおおかったのは、
まずしい食生活で血管がもろかったからなのだそうで(いわゆる脳出血)、
平均寿命がこんなにながくなった日本人の血管は、
そうかんたんにはやぶれないから心配しなくても大丈夫です、ともある。

何冊かをたちよみしていえるのは、
タバコとストレスがからだによくないということだけであり、
運動さえ条件つきでしかみとめられていない。
歳をとったら動脈硬化がすすむこと、
それによって血圧があがるのは自然現象であり、
それを薬によって無理にさげようとするから 脳卒中をおこしてしまうという。

以前もてはやされていた健康法や食事の注意点は、
時間がたてばかんたんにひっくりかえる。
いまは炭水化物がやりだまにあがっているけど、
これがこのまま常識として定着するかどうかはわからない。
何冊かの要点をざっとまとめると、
けっきょくのところ、脳卒中の原因は動脈硬化であり、
血圧がたかくても、コレステロール値がたかくても、
動脈硬化をおこしてなければ問題ないようだ。
そして、ある程度の動脈硬化は老化による必然なのだから、
健康診断なんかうけないほうがいいし、
それでなにかおこったら、運命としてうけいれるしかなような気がしてくる。
薬をのむから脳卒中がおきる、
中性脂肪やコレステロールがたかくても心配ない、
というかんがえ方は説得力がある。

posted by カルピス at 13:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする