2014年11月09日

老後に月30万円も必要だなんて

朝日新聞土曜日版の連載「続・お金のミカタ」で
老後にかかる費用をとりあげている。
きのうは「施設タイプで負担も変わる」として、
「住宅型有料老人ホーム」にすむ新井さんの例が紹介されていた。

1ヶ月にかかる費用は、
・家賃 10万4000円(1LDK)
・共益費 3万1500円
・基本サービス(安否確認など)3万2400円
・厨房管理費(自炊をしているので)2万8000円
これに光熱水費をくわえて、10月の請求は約20万円だったという。

それ以外に、
・食費 約3万円
・電話代(固定と携帯)1万円
・医療費・交際費など 4〜5万円
が必要なので、あわせると月に30万円弱の支出になる。

週刊誌の広告に、「老後には3千万円が必要」などとあるのは、
これらの支出をもとに計算しているのだろう。
それにしても、「有料」となのっているとはいえ、
老人ホームにはいっていながら月に30万円も必要だとはしらなかった。
基本サービスや厨房管理費でこれだけしっかり請求できれば
経営する事業者としてはおいしい「サービス」だろう。
介護が必要になれば、このうえに介護保険料やおむつ代などがかかってくる。

新井さんは、年金が月に17万円あり、
そのうえに貯金を毎月11〜12万円とりくずしているそうで、
貯金が3千万円あるから、いまの生活でも20年はつづけられる。
これだけのお金をはらえるひとはいいとして、
たくわえがなければどうなるのか。
介護保険制度の施設として、要介護度がたかくなれば
特別養護老人ホームがあるけれど、
待機者が全国で52万人というから、
だれでもはいれるとはおもわないほうがいい。

今朝の新聞には、制度外のホームで 拘束があたりまえにおこなわれている状況が報告されている。
記事になったシニアマンションは、
「家賃、介護費、医療費、食費などを含めて月約15万円」で、
敷金や一時金もいらないといい、
ヘルパーが介護におとずれるやり方だ。
15万円がやすいとはおもわないし、
それだけはらっても 快適な生活は保障されないのだ。
制度外のサービスなので、行政からの指導ははいらず、
法的に責任がとわれることはない。

老人がくらせる施設は不足しており、
いいホームはたかくてはいれないし、
やすいところは拘束されるでは、
歳をとってから 安心してくらせる場所がない。
うけいれる側も、数がたりないのはわかっているので、
あしもとをみるように法外な値段をつける。
団塊の世代が高齢化をむかえる2025年にむけて、
老人やその家族のよわみにつけこんだ えげつないビジネスが
これからはつくられていくのではないか。

それにしても、あたりまえの生活をもとめているだけなのに、
老後を安心できなかったり、
かなりたくわえがなければ まともなサービスをうけれないのは、
なにかがおかしい。
せっかくながいきしたのに残念すぎる。
人生のさいごが拘束だなんて、あまりにも悲惨だ。

わたしにこまかな老後の計画はないけれど、
とても老人ホームにはいったり、介護をうけるお金はなさそうだ。
けっきょく健康に気をつけて、
死ぬすこしまえまで げんきに生きるしかない。
健康をたもち、自分の家でくらすことが
わたしにはどうしても必要な老後の条件となる。
ひとりで死ぬのはさみしいかもしれないけど、
拘束されるより はるかにましだ。
わたしがひごろとりくんでいるジョギングや水泳は、
トレーニングというより
死ぬまでげんきでいるための、切実で かかすことのできない準備におもえてきた。

posted by カルピス at 20:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする