2014年11月11日

むすこの誕生日におもうこと

20歳になったばかりの女性職員が、出勤簿をつけるときに
「今日って、何日でしたっけ?」とたずねてきた。
50代のわたしは、こわくてそんなこときけない。
サラッと口にだせるのがわかさの特権だと感心した。
「きょうは10日です」
わたしはすぐにこたえられた。

きのうはむすこの誕生日だったのだ。
17歳になった。
夕ごはんはいつもよりにぎやかなテーブルになるよう
ステーキやサンドイッチをならべる。
料理はできるけど、きれいなもりつけや、
ひとてまかけた こまやかなおいしさがわたしは苦手で、
とにかくおいわいの雰囲気になればいいとおもった。
誕生日だからといってだんらんがはずむわけではなく、
いつものようにテレビをみながら、しずかにたべる。

きょねんの誕生日には、フリースのプレゼントと、
あとからおもいついて村上春樹さん訳の
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』をすすめている。
あれからもう1年がすぎたのだ。
ありがたいことに、なにごともない1年だった。
高校生だというのに、むすこは毎日5時に学校からかえってくる。
ときどきは友だちがあそびにきてくれるし、
夕ごはんがおわってからそとにでかけることもある。
それなりにあそびながら、ぶじに1年をすごせたことを感謝する。
むすこをまじえた いまの平凡な日常が、
あと1年ちょっとしかつづかないことを すこしさみしくおもう。

「web本の雑誌」に連載されている杉江さんのブログ「炎の営業日誌」に、
中2のむすめさんの背がのびて、杉江さんとかわらなくなったとかかれている。
http://www.webdoku.jp/column/sugie/

「大きくなれ。
 どんどん大きくなれ」

背のたかさがおいつかれてがっくり、ではなくて、
おおきくなれといえる 杉江さんのふところのひろさが いいかんじだ。
なにもおこらないようでいて、すこしずついろんなことがかわっていく。

posted by カルピス at 11:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする