2015年01月28日

ファジアーノ岡山のサバイバルキャンプこそ、次世代サッカーの鍵かもしれない

アジアカップで日本代表は決勝トーナメントにのこったものの、
PK戦のすえUAEとの試合にまけ、ベスト8での敗退がきまった。
わたしはこの試合があった先週の金曜日、
まさかまけることはないだろうと、安心して試合を録画機能にまかせ、
新年会にでかけていた。

あとでこの試合をみると、組織されたUAEのうまさがめだち、
「まさかまけるはずが」というのは
わたしの失礼かつ勝手なおもいこみにすぎなかったことがわかった。
UAEは、かちのこるにあたいする いいチームであり、
中2日の日本はまけるべくしてまけたといえる。

UAEは2012年のロンドンオリンピック世代が中心メンバーで、
当時U-23の監督だったマフディ=アリ氏が、その後代表監督に就任されている。
中東といえば、きわめてみじかい期間で監督を交代させ、
一貫した育成にそっぽをむいた国がおおかったけれど、
UAEにおいては、継続した育成が成果をあげつつあるとみるべきだろう。

UAEだけでなく、韓国やオーストラリア、それに中国までも
あたらしい世代へのきりかえに配慮し、わかい選手がおおくなっているのに、
日本だけは昨年のWカップからあまりかわっていない印象をうける。
かたちとして日本はひとつまえのチームでアジアカップにいどんだ形となり、
いい・わるいはともかくとして、優勝にいちばんちかいところにいるチームと、
おおくのひとがおもっていたことだろう。
それがまさかのベスト8敗退だ。
A代表がアジアカップでやぶれたことにより、
日本はあらゆる世代の世界大会で ベスト8レベルにおちたのだという。
世界に通用しなくなったのが、A代表だけにとどまらず、
このさき数年にわたって 人材がでてこない可能性がたかいのは、
あまりたのしいはなしではない。

アギーレ監督は、大胆にわかい選手をためしたかとおもうと、
つぎはザックジャパン時代にもどったりして、
いまの代表は、つよいのか、そうでないのかわからないところがあった。
それが、グループリーグがはじまると、3戦を無失点できりぬけ、
決定機をなんどものがしたものの、あぶなげない試合はこびに
日本のつよさはほかの国より頭ひとつぬけているようにみえた。
わたしたちの代表もずいぶんつよくなったもんだ、と
安心して新年会にでかけたのに。
ザッケローニ監督時代より守備意識がたかく
これまでにないつよさを身につけたといわれながら、
あっけなくUAEにまけてしまったのは、
「運がなかった」ですまされるはなしではなさそうだ。

抜本的な改革を、すこしずつでも、ちゃくじつにすすめるために
日本サッカーはなにをどうとりくめばいいのだろう。

J2のファジアーノ岡山が、冬のキャンプでサバイバル体験をとりいれたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150118-00000047-dal-socc

「選手たちは6班に分かれてテントに宿泊。
 薪を集めて火をおこし、協力し合って食事を作った。
 食料など必要な物資は決められた予算の中で購入。
 島内でもマーケットが開かれ、架空通貨『FAGI』を使って調達するほか、
 島内探検や釣りなどでも食材を集めた」

ファジアーノ岡山は、今回だけとくにかわったことをしたわけではなく、
これまでも奇抜なキャンプでしられているそうだ。
なんだかすごくたのしそう。
サッカーのトレーニングらしくないけれど、
のびしろをおおきくひろげるには、これくらいのこころみが必要なのかもしれない。
まいた種が、今シーズンちゅうに芽をだしたり、
ましてや実をむすんだりはしないだろうけど、
数年さきをみこした土つくりとして おもしろいとおもう。

ファジアーノ岡山の成績をみてみると、
あまり上位に顔をだすチームではなく、
これまでのところ、奇抜なキャンプが成果をだしたとはいえない状況だ。
結果がともなわなければ批判もあびるだろうに、
この冬もまたぶれずに基本方針をつづけたのがすばらしい。
わたしとしては、まず選手ひとりひとりが無人島生活を体験したのちに、
チームでなにができるかを「キャンプ」してほしけど、
あんまり無人島生活だけになれしたしんでも どうかとおもうので、
今回のサバイバル体験は、これでよしと評価したい。

A代表がアジアカップでUAEにまけたことと、
ファジアーノ岡山のサバイバルキャンプは、本来まったく関係ない。
しかし、異質なもののくみあわせこそ革新をうみだす鍵ではなかったか。
A代表がファジアーノ岡山式のキャンプをとりいれたら、
50年くらいかかるかもしれないけど、
世界がまったく理解できないし、ついてこれない
斬新な日本スタイルのサッカーができあがっているかもしれない。
いまのやり方を50年つづけても 世界のトップレベルにたどりつけそうになく、
すべての年代がパッとしないいまこそ、
まったくあたらしい発想をためしてみるチャンスともいえる。
いそがばまわる、という手もある。

posted by カルピス at 20:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする