NHK-BSでの放送は、山本昌邦さんと早野宏史さんが解説を担当された。
山本さんがチームの継続性について強調すると、
早野さんは「ただくりかえせばできるというものじゃないから」と、
それにたいして否定的なことをいう。
お、このふたりはうまくいかないかも、
あいだにはいるアナウンサーはたいへんかな、と期待する。
山本さんは、どの試合もけっきょく精神論だ。
「ギリギリのところでどこまでやれるか」
「あと数センチというところを、どれだけ足をのばせるか」
なんてことを延々といいつづける。
早野さんにきびしくつっこんでもらういい機会だとおもっていたら、
それが、ほんとうに気もちのはいったすごい試合になってしまった。
テクニックや戦術うんぬんではなく、これはもう、死闘といっていい。
試合については宇都宮徹壱さんのコラム
「日々是亜州杯2015」にくわしい。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/japan/2015/columndtl/201502010002-spnavi?page=2
「『面白い』とか『スリリング』というよりも、
むしろ『壮絶』という表現が最もふさわしかったように思う」
にわたしもふかく共感する。
決勝の場に、日本代表がいないさみしさとともに、
日本代表がみせる内容では、ここにいるのがふさわしくないという
かなしい事実をかみしめる。
オーストラリアと韓国は、ほんとうにすばらしい試合をみせてくれた。
ちからのかぎりをつくしてたたかっているようすが、みるものの胸をうつ。
アナウンサーのいう
「どのような結果になろうとも、
両チームにとってこの試合はおおきな財産となるはずです」
という発言に納得する。
解説で山本さんはつぎの2つを指摘されている。
・予選リーグをふくめ、決勝戦にでるまでに
6試合あることをみすえた選手起用
・世代交代をどうすすめるか
決勝にのころうとおもったら 6試合たたかうわけで、
ベテランにたよったり、おなじスタメンを4試合つづけたりしていては、
とても決勝まで コンディションを維持できない。
W杯は決勝戦までさらにもう1試合あるから、
それを固定したメンバーでたたかうのは あきらかに無理がある。
ベンチにいる23人全員がはたらくようなチームでなければ、
と山本さんはいわれる。
韓国とオーストラリアは、両チームともけが人をかかえながらも
かわってはいるひかえの選手がおぎなっていた。
また、韓国とオーストラリアだけでなく、
中国やUAEなど、おおくのチームでわかい選手が活躍する機会をえて、
彼らがこれからチームの顔となることを予感させている。
国際大会を経験したからといって、それで世代交代がすすむわけではなく、
今回の決勝みたいな、ギリギリの試合をどれだけくぐりぬけてきたかが財産となる。
日本はUAEとの試合にまけたことで、
死闘をえんじ、世代交代をすすめる機会をうしなってしまった。
日本はアジアの強国だと安心していたら、
あっという間にとりのこされてしまったかのようだ。
サッカーにおいて、人口とつよさは比例しない。
このさきどんどん人口がへるからといって、
サッカーもつきあって元気をなくす必要はなく、
気もちをきりかえて W杯予選にのぞんでもらいたい。
アジア枠の4.5が、それほど余裕のあるにおもえなくなってきた。
優勝したオーストラリアと、
すばらしいタフな試合をみせてくれた韓国の健闘をたたえたい。