本屋さんをぶらついていたら、
「鷹の爪2015年自虐カレンダー」がやすうりされていた。
本来なら1512円の壁かけ用が、税こみ540円と 1/3ほどの値段だ。
あたらしい年にはいったのだから 値さげは当然とはいえ、
売場のダンボールにぎっしり在庫がつめこまれていたので、
今回はさすがにつくりすぎたのかもしれない。
鷹の爪の人気がだんだんとたかまり、
いくらすってもうりきれの年がつづいていたから、
2015年版は、めちゃくちゃたくさん用意したのだろう。
熱心な鷹の爪ファンのわたしは、
2013・2014年と、壁かけ用カレンダーをかったけど、
もったいなくてめくれずに せっかくかったカレンダーが用をなさなかった。
今年はさすがにこりて卓上版しかかわず、
壁にはほかのカレンダーをかけている。
でも、540円ならコアなファンとして、当然おつきあいすべきだろう。
壁かけ版は、2ヶ月で1枚という構成なので、
2月からつかっても、致命的な損失とはいえず、まだ間にあう期間だ。
よくかんがえてみれば、1512円はもったいなくてめくれないくせに、
540円だと大丈夫というのは、
ファン心理というよりも、たんなるケチなだけということがわかる。
そもそもカレンダーごときが1500円というのはたかすぎるのだ。
500円だと安心してちぎれるというのは、
わたしにとって1500円が、たかい・やすいの
ひとつのくぎりになっているのかもしれない。
ちなみに壁かけ用の1・2月の自虐ネタは
「クラス対抗戦とかしてみたい」で
卓上版は
「消費税がまだ5%のところがある」だ。
「クラス対抗戦とかしてみたい」の切実感は、
じっさいに島根でくらしたことのあるひとでないとわからないだろう。
わかるひとには胸につきささり冗談にならなくて、
わからないひとには なんのことか意味がつたわらない。
ということで、卓上版の
「消費税がまだ5%のところがある」に軍配をあげたい。
鷹の爪といえば、番組のなかで
「3つのねがい」をとりあげていたことがある。
3つのねがいをききいれてくれるかわりに、
悪魔に魂をうりわたす、というアレだ。
番組では吉田くんが
「3つのねがいに、100をたして、103にして」
とさきのばし作戦にでたので感心してしまった。
あれからわたしも効果的な「3つのねがい」をすこしかんがえてみた。
「おもったとおりにサッカーがプレーできるようになる」
はどうだろう。
わたしが「おもったとおり」にボールをあつかえるので、
とんでもないところにけったようにみえても、
仲間への絶妙なパスになったり、
あたりそこないのコロコロキックであっても
キーパーのタイミングをビミョーにはずして
なぜかゴールにすいこまれる。
サッカーは体力・テクニックがそのままあらわれるスポーツとはいえ、
かなりのところ運も左右する。
ぽっかりあいたスペースに、なぜかわたしがいて、
「おもったとおり」にキックすれば
たとえバルセロナやレアルが相手でも
だれもわたしのスーパープレーをとめられないはずだ。
冷静にかんがえると、こういう理づめでおもしろみのない「ねがい」は
もし実現されたとしても そのさきがスカスカだ。
体力もなく、ヘタなのに得点をかさねるわたしが
たとえWカップでMVPにえらばれても、
ではそれでしあわせになれるかというと、
それほど人生は単純ではない。
悪魔に魂をうりわたしてもしあわせになれる「3つのねがい」とはなにか。
たくさんこたえがありそうでいて、なかなか奥のふかいといかけであり、
だからこそいまだに寓話としてすたれないのだろう。